がびのテラス - 軽妙にして辛辣、独断にして優雅に

金曜日はウチでくつろごう

髪を切るのは、バンコクの日系美容室と決めている。もうここ何年も通っているので、年4回と言えどお馴染みさんであることに変わりはない。
外 国の美容室を体験してみると、日本風シャンプーの有難さが身にしみるのである。雑なのだ。爪をたてるし、ちゃんとすすいでくれない。耳の中までシャンプー の泡でおおわれ、ほとんど聞こえなくなる。あの「どこかカユイところはございませんか?」なんて言葉は、外国では使われないのだ。シャンプーをやっても らって気持ちがいいのは、日系美容室だけである。
そして実はここの美容院には、若くてハンサムで言葉遣いをわきまえていて腕もいい、という四拍子 揃ったオニイサンが二人もいるのだ。このところわたしの周りにいる「若い男の子」と言えば、ニクタラシイ高校生のヤツラだけなので、この美容院に行くとコ コロまで洗われる思いである。
こういう楽しい場所で、髪もすっぱりと切って少々明るい色に染め、マニキュアもペディキュアもやってもらうと、そろそろ「さあ出かけるかっ」の金曜日モードだ。

ところが、そうは行かない。二晩続けて接待がはいっていたわたしのパートナーは「金曜日くらいウチにいたいよぅ」と叫ぶ。「それに、金曜日の渋滞が殺人的なのはキミだって知っているじゃないか。」バンコクの「本格的な」渋滞は、歩いたほうが速いくらいなのだ。
か くして渋々と作った夕食は、オレンジとセイジのソースを添えたポークフィレのロースト。丸のままオーブンにぶちこみ、あとからスライスした。付け合せはル コラのサラダと、例によって「じゃがいも」のグラタンである。オレンジを入れたソースは、さっぱりとして柔らかいフィレ肉にとてもよく合う。

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