がびのテラス - 軽妙にして辛辣、独断にして優雅に

豪州でも「いじめ」はある

子供たちに接していると、どの子が「いじめっ子」なのかわかる。周りの子供たちの彼に対する反応が、微妙に臆しているからだ。

日本の話だけではなく、実際にオーストラリアでも「いじめ」はある。それが証拠に、スタッフルームのポスターには、そうした子供たちの電話相談や面談の記事が載り、「いじめ」についての公開講座も行われている。特定の子供が「いじめ」にあっているようなので、教室内で気をつけること、などと秘密扱いの名指しでメモが回ってくることもある。

今日も、そんないじめに遭っている15歳の少年が自殺未遂をした。
わたしの同僚教師の甥である。
彼女の携帯に電話がかかり、その知らせが来た。どうやら命はとりとめたようだが、原因はその少年がゲイだったことにある。大人の社会でもまだ偏見を持っているひとたちがいるが、子供の世界はもっと残酷だ。毎日のようにいじめられ疎外されていたらしい。
彼の自殺はこれで2度目だと言う。こういう話はやりきれない。

わたしのクラスにもひとり、とても優しげな瞳に女性らしい仕草の少年がいる。彼は決して男の子たちと交わらない。一緒にいるのはいつも少女たちだ。9年生の少年たちは皆思春期の始まりで、大人になりつつある体と心の不一致から、扱いにくくなる時期にある。かなり荒れたクラスが多くなるのもこの9年生たちだ。
そんなクラスに置かれるのが嫌で、彼は去年8年生のときに猛烈に勉強した。「センセイ、日本語がもっと出来るようになれば、9年生になったときに選抜クラスのほうに行けるんでしょう?」と必死の瞳でわたしに聞いて以来、一生懸命がんばり、テストのたびに「ボクの成績は選抜クラスに十分ですか?」と確認してきた。
9年生選抜クラスは成績優秀な生徒の集まりで、平均的に少女たちのほうが語学能力が優れているため、少年は3分の1にも満たない。反対に普通のクラスは、はるかに少年が多いのだ。
年度末のクラス調整の際、彼の成績は優秀ではあるが選抜クラスに行くには少々足りなかった。しかし彼の日常の友人関係を見れば、少女が数人しかいないクラスで「いじめ」の起きる可能性が大きいのは明らかである。

そうした理由をもとに、わたしが強く押したこともあり、彼は今年から9年生選抜クラスに行くことになった。
今年はそんなわけで、彼はとても嬉しそうだ。廊下で会ったときに「センセーーー、ボク今年はまたセンセイのクラスです。それも選抜クラスです。」と頬を染めて話しかけてきた。
この優しい少年が、今後残酷ないじめに遭わないことを願うばかりである。

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今日の夕飯は、冷蔵庫の残り物炒めだ。週末が近づくとこうしたメニュウになるのは、土曜日の買い物のときまでに、古い野菜を全て一掃したいからだ。
トマトもブロッコリーも牛肉もほんの少しづつなので、全部中華風ゴマ味噌でささっと炒めてしまう。彩りが何だかとても綺麗で、食欲が出てきた。

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