いわゆる「職員室」と言うシロモノは、オーストラリアにはない。各教科ごとに、その科目の教室の近くに専用のオフィスがある。オフィスには普通、電話とコ ピー機が備えてあるから、なんらかの用がないかぎり、校長室、副校長室、そしてその他総務のオフィスと受付のある区域に足を踏み入れることもあまりない。 もちろん、全ての教師と知り合いになれるわけでもない。そのような学校の中で、唯一のスタッフ交流の場が、スタッフルームと呼ばれる大きな部屋なのであ る。ここでは、電子オーブンに湯沸かし器、皿洗い機などを提供し、珈琲(もちろんインスタントだが)も紅茶もミルクもある。金曜日ともなれば、くじ引きな んてものにもお茶の時間に催される。10時45分から11時05分までの朝のお茶の時間と、1時05分から1時50分までのお昼休みには、おやつを食べた り、食事をしたりするスタッフ、教師たちで混みあう部屋なのだ。様々な行事、報告などもここで発表され、退職する教師たちはここで花などもらって、最後の スピーチを行ったりもする。
やっと2週間目が終わったが、ここで食事をしたのはたったの3回に過ぎない。まだ勝手のわからない雑用が多すぎて、時間が足りないのだ。慣れればもう少しゆとりがでてくるのだろう。
それまでは、書類とにらめっこしながらサンドイッチをかじる昼休みが、どうやらもう少し続きそうである。