成人式の日付が変わってから久しいけれど、それが1月15日だろうと1月第2月曜日だろうと変わらないものがある。
20歳という、誰もが迎える成人としての出発点の記憶だ。
成人としての人生は今始まったばかりだ。足りないものは未来への確信だが、かと言ってたった今歩いている場所も、なんだか雲の中のようにたよりない。何でもできそうな気がする。そして次の瞬間には、何にもできそうもない気がする。用意周到なんて、ジジババたちの言うことだ。あなたには、彼らの使う死語のように理解しがたい言葉だろう。
だから、五感を研ぎ澄まして周りを感じとってほしい。やりたいことがあったら突っ走って欲しい。突っ走り始めたら、息が切れるまで続けて欲しい。
そして、疑問を持とう。ひとの意見を鵜呑みにせず、自分の言葉で自分の考えを口に出そう。そのためには、謙虚に色々なひとと会い色々なひとの意見を聞き、次第に蓄積されていく知識と思考を整理する法を身につけよう。
そして、政治に関心を持ち、コミュニティーに参加しよう。
英語ではCommunity Serviceと言うが、生活を繋ぐ場である社会への個人としての参加だ。それはボランティアでもいい、または興味のあることの集会・講演でもいい、意義のあるグループに参加してもいい。
インターネットの利用で世界は近くなったが、代わりに本当に自分の周りにいるひとたち、またそれに関わる社会の動きに無関心なひとたちが多くなった。
それではいけない。未来がいかに不確かでも、あなたは10年後にそれを生きなければならない。「ジジババの世代がこんなにしたんじゃないか」などと言うのはやめよう。あなたもいずれそう言われる「ジジババ」になるのだから。
成人、おめでとう。
今日から本当の「大人」の生活が始まる。