そりゃあ、時々甘いものが食べたくなるときもある。毎日とは言わないが、特にゆっくりと過ごす週末などには、いきなりそんな欲望がむくむくとアタマをもたげる。
週末の夜に、店が開いているわけもない。
お菓子作りというものは、手順さえわかってしまえばそんなに難しいものではないし、ましてやこちらで手に入るSelf-rising Flour(ベイキングパウダー入り小麦粉)を使うと、粉をさらさらと混ぜる必要もないので、手間もかからない。
冷蔵庫をのぞいてみると、青りんごがある。卵も1個残っているし、貯蔵室にはカシュウナッツもある。こうなりゃ、当然マフィンでしょう。
市販のものは、りんごをおろして使っていることが多いが、カタチが残っているほうがはるかに美味しく感じられる。それを2個荒く刻んで、ブラウンシュガー1カップ少しと合わせておく。同じくカシュウナッツもきざんで、1カップ。
ベイキングパウダー入りの小麦粉がなければ、小麦粉2カップにベイキングパウダー小さじ2を合わせてふるい、そこにオールスパイスとシナモンを小さじ1杯ずつ…と思ったら、シナモン「パウダー」がないじゃないか。乾燥スティックはあるのに…。そこで、仕方なく重い石臼を出し、スティック2本をどかんどかんとつぶすこと2分。やっと細かくなったものを加え、溶かしバター125gをどろどろと混ぜ、カシュウナッツと卵一個をブチこみ、ねっとりとした砂糖りんごをざっと混ぜて出来上がり。
あとは、マフィントレイに紙カップをおいて、材料をスプーンで落とすだけだ。180度のオーブンで15−20分くらい。
シナモンのよい香りがオーブンからただよいだすと、重い石臼で汗をかいたことなどきれいサッパリ忘れている。