がびのテラス - 軽妙にして辛辣、独断にして優雅に

豪州版「成績のつけかた」

ここ数日「採点話」ばかりなのだが、仕方がない。だって、食べているときと授業しているときと寝ているとき以外は、それしかしていないのだから。

今朝学校に着いたのが7時半、「さあ」とコンピュータに向かって成績表インプット開始。これが結構時間がかかるのだ。
成 績自体はすでに出してあるので、順に「書く」「読んで理解する」「聞いて話す」の三つの項目に「サイコウにすんばらしいわっ」「とても満足だわっ」「満足 してるわよっ」「一応がんばってるみたいねっ」「全然がんばってないじゃんっ」と記入すればよいだけなのだが、これにコメントなんてものもつけなければな らない。
コメントはほとんどが1行から2行の文章で、それぞれ番号がついている。だからプリントアウトしたそのコメント表を見ながら、「まあ、コイツにはこのコメントかな」と番号をインプットするのだ。その文に付け足したり修正したい場合は、直接入力してもよい。
最 初に成績を入力してからそのコメントにとりかかったが、いやめんどくさいものである。出来る子たちは簡単だ。褒め言葉が沢山あるから、そこから選べばよ い。しかし、出来ない子となると、千差万別である。授業中ウルサイやつから、一応やっているのに分からない子、おしゃべりが多いけれどもやれば出来る子、 などなど選んでいたら結構時間がかかってしまうので、大まかなところだけ選んで後は個別に自分で書いたほうが早い。

非常勤教師をつけても らったといっても、ずうううっとオフィスでコンピュータに向かっていればいいわけではない。昼休みには、「せんせいっ、どうしても追試してください。だっ てボクこないだの聞き取り試験やってないんですっ」という殊勝な子が来れば、例のカンニングのせいで追試になった子供たちも来る。
非常勤のセンセ イに時間を間違えて教えちゃったオフィスのひとも出てくる。8年生の子供が3時間目が15分ほど過ぎたあたりでオフィスに来た。「センセイ、誰もいないの で皆騒いでますけど」。げ、なんてことだ。急いで走っていくと、わたしの姿を見たら「きたぞっ」という声が聞こえる。ばかめ、1時間遊べると思ったらオオ マチガイっ、とさっそくぜえぜえはあはあとしながらも授業開始。後で間違えた張本人から謝罪を受けるが、まあ気分転換ということで。

その後もずっとコンピュータに向かって、「やれば出来るのに、おしゃべりが多すぎて集中力がない」とか「この科目に興味がないことは明らかで、態度を改めないかぎり成績の向上は望めない」だののコメントにげんなりしながらも、ひたすら働く。
4時になったら、もう目がかすんできた。これでは間違いをする恐れもあるので、キリのいいところでやーめた。

自宅でメモできるものはメモして、月曜日の朝早めに行くことにした。
そりゃあ今日全部仕上げられれば嬉しかったのだが、まあいいや、今日だけは仕事をしないでいいのだから、と諦める。

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5月末だったと思うのだが、この日記を始めたばかりのときにマルメロの実をもらったことがある。3つばかりもらってもなあ、と思ったが一応ペーストを作って冷蔵庫で保存しておいた。
ちょうどタスマニア産ダブルクリームのブリーがあったので、厚切りにしてマルメロペーストとともにうすいクラッカーの上にちょんとのせる。ねっとりとしたダブルクリームのチーズは、甘いマルメロペーストと実によく合う。
こういうスナックさえあれば、週末の白ワインがゆっくり飲めるものだ。

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