食話休題: 2006年12月アーカイブ

chickenmizore.jpg日系スーパーマーケットに行くと、米が山積みされているところで「新米」のスティッカーが目立つ。こちらで作られている米で、タイ米だけではなく「あきたこまち」なんて銘柄の日本米もある。迷わずこれ。タイ米は、オーストラリアでもスーパーで買えるので。パースにも日本米があるにはあるが、品数は限られている。

こういうものを買っちゃったら、今日は懐かしの和食でしょう。
とは言うものの、あと一日でバンコクを立ってしまうのだから、米以外は冷蔵庫の整理となった。

鶏ささみは下味をつけてから軽く片栗粉をふり、そのままフライパンで焼く。両面焼き色がついたら、ニンニクとショウガの薄切りを加え、いい香りがしてきたら今度は長ネギのそぎ切りを加える。さっと混ぜ合わせ、酒、醤油、砂糖をぽんぽんと加えたら、また水溶き片栗粉を少々流しいれてとろみをつける。あとは大量に残っていた大根をすりおろしてさっと混ぜて火を止めた。大根は刺身を買ったときにツマ用に買ったのだが、使っても使ってもまだ半分以上残っていた。今日は大根おろしと味噌汁の具に使って、やっと冷蔵庫から消えてくれた。

さて、昨日のポテトサラダも添えてご飯はぴかぴかの新米だ。ささみはとてもやわらかく仕上がったし、さっぱりと大根おろしがからんで食が進む。和食が食べたくなっても素材に苦労しないのが、さすが日本人の多いバンコクの便利なところ。

eggsandwich.jpgパースのウィークディランチは、もちろん学校のスタッフルームで食べる。カフェテリアでサンドイッチやサラダを買うこともあるが、ほとんどは手作りのお弁当だ。前日に作ったり、時間のあるときは朝作ったり, 素材も味も気分によって違う。
そう言えば、普段の日は食話休題に載せることもなかったなと思い、同じようなものをバンコクのオフィスでも作ったので記念撮影。

水分を吸ってぐんにゃりとしたサンドイッチのパンは、あまり美味しいものではない。だから材料さえすべてパックして持っていけば、あとはその場ではさむだけで「作りたてのサンドイッチ」が食べられる。
そのチマチマとした料理場面は、箸を使っていることもあって(フツウのオーストラリア人にはもちろん箸を使ってサンドイッチを作るなんて、思いもよらないからだ)なんだかスタッフルームで評判になってしまった。その後、「確かにサンドイッチはその場で作ったほうがウマイ」と納得したのだろう、何人かの教師やスタッフが材料とパンを別々に持ってくるようになった。

さて、今日のランチは「たまごサンドイッチ」だ。さほど想像力を働かさなくとも、ゆで卵のみじん切りとマヨネーズを混ぜるだけで、それなりの「たまごサンドイッチ」ができる。
わたしが作るのは、どちらかと言うとそのヘルシーバージョンだ。ゆで卵はみじん切りというより、卵だとわかるくらいのブツ切り、そこに赤たまねぎのみじん切りを加え、マヨネーズはほんのちょっと、無糖ヨーグルトと粒マスタードをいれて、塩コショウで味をととのえる。雑穀入りの全粒粉パンのスライスに塗ったら、あとは大口を開けてかぶりつくのみ。

サラダはすべてサイコロ切り。トマト、きゅうり、赤と黄ピーマン、セロリに、サンドライドトマト(天日干ししたトマト)の細切りとバジルの葉を加える。ヴィネグレットドレッシングはお弁当のときは別に持っていくが、今日はすぐに食べるので、そのままサラダにあえた。

涼しいテラスでゆっくりと食べるのは、学校の職員休憩室でそそくさと食べるのより、もちろんはるかに気分がいいし、美味しく感じるもの。

xmasroast.jpgメリークリスマス!
ここ五年以上ヨーロッパに戻っていないので、どうも「暑いクリスマス」「雪の降らないクリスマス」が当たり前になってしまった。いくら涼しいとはいえ、熱帯のバンコクではジャケットを着るほどの気温ではないし、パースはそろそろ三十度を軽く越す真夏だ。雪がちょいと恋しくもあるが、スイスで着るような厚手のコートはもうすでに持っていない。

昨日の晩は外食だったので、真夜中近くに買っておいた牛肉を思い出し、台所でゴソゴソとマリネしておいた。マリネ液は相変わらず自己流、赤ワイン、ウスターソース、オリーブオイルを混ぜ合わせ、ニンニクとしょうがをポクポクとたたいてつぶし、ローズマリとタイムを刻んでごっそりと入れてまたポクポクとつぶす。そこに牛肉のかたまりをひたして冷蔵庫へ。
三十分ぐらいのマリネですぐに焼いてしまうときは塩コショウを加えるが、一晩寝かせるときは味をつけない。肉が硬くなるからだ。フライパンで焦げ目をつける直前に、塩コショウする。塩はフレーク、コショウはその場で挽いたもの。味が格段に違う。
あとはオーブンでいい具合に焼けたら、二段目でローストしたローズマリポテトとアスパラガスをあわせて出来上がり。グレービーにマリネ液をちょいと加え、煮詰めたソースをかける。

salmonroll.jpg前菜は、デパートで買ってきたサーモンロールにサラダ。こないだ昼食のために入った和食レストランで出していたサラダを思い出し、シラス干しを加える。ちりめんじゃこのことだ。東京では、「ちりめん」とか「じゃこ」とは言わない。つまり、わたしの母には通じない。あくまで「シラス干し」だ。
ドレッシングは、しょうがの香りを効かせた醤油味にした。

最上階に住むスイス人老夫婦は、ワインとデザートの担当だ。昨日の朝エレベーターで一緒になり、「クリスマス・ディナーの予約を忘れちゃってねえ。どこのレストランももう予約で満杯」とため息をついていたので、何となく招待してしまった。解凍から始まって何日もかかるターキー・ディナーとまでは行かない。いつもの晩ゴハンに前菜を加えただけだが、それなりにサマにはなったかな。

yogurtroast.jpg今年後半は新しい学校で教え始めたため、あっと言う間にもう師走。言葉通り走りまくって、気がついたらバンコクで呆けていた。やっと「夏休み」に入った、ということだ。オーストラリアはもちろん季節が反対なので、年末の休暇が一年で一番長い。

一週間前に帰った年末のバンコクはすでに乾季。わたしの一番好きな季節だ。涼しい風がテラスに落ちたブーゲンビリアの葉を舞い上げ、エアコンを使わない部屋のカーテンをふわりと持ち上げる。

サウナにならない台所なら、料理も快適だ。
今日買ってきた豚ロースのかたまりは、タコ糸できっちり形を整えたりせずにそのまま使うことにした。清浄豚肉と謳うだけあって、オーストラリアのものより臭みが少ない。

大きなステンレスボウルに、無糖ヨーグルトを一カップほど。そこに粒入りディジョンマスタードをぼとんと落とし、つぶしたニンニク、ローズマリの葉のみじん切り、塩コショウで味をととのえてから、カルダモンをがりがりと削って加える。豚肉にこのマリネを塗りたくって冷蔵庫で四時間ほど寝かせたら、後は180度のオーブンでじっくりと焼くだけだ。ヨーグルトにカルダモンを加えるだけで、何となくギリシャ風の仕上がりになる。
付け合せは、肉を焼いている途中からオーブンに入れてローストしたニンジン、ズッキーニ、アスパラガス、じゃがいも。

こんな風にジューシィに焼けた豚肉は、分厚くスライスして天板に残った肉汁をかけながら食べる。