食話休題: 2006年9月アーカイブ

musselsalad.jpg昨日は、魚屋でムール貝が大安売り。下処理がめんどくさいのが玉にキズだが、食べたいとなったら一応腰を上げる。1キロで約400円ほど。
いつものようにスパイシーなトマトソースで煮るかな、と思ったが、何週間か前に見たテレビの料理番組ではバーベキューにしていた。日本だって焼き蛤なんてのがあるんだから、ムール貝を焼いちゃったってマズイわけがない。

がりがりと洗って飛び出ているヒゲをむしりとったら、あとは庭のグリルを熱してぽんぽんとそこに置いていく。貝が開きだしたら蓋をして蒸し焼きに。殻を皿にしてぐつぐつと音をたてだしたムール貝は、ぷうんと磯の香りをたてて美味しそうだ。塩もコショウもしていない。
用意しておいたレタスの上にまだ湯気をたてているムール貝をたっぷりと載せ、フィッシュソース(ナムプラー)とライムジュースに、唐辛子、ニンニク、しょうがのみじん切りをさっと混ぜて上からかける。最後に香菜をぱらぱらと振りかけて出来上がり。
ぷりぷりとしたムール貝だけではなく、にじみでたソースも美味だ。

ただはまぐりと違って、ムール貝の殻は薄く壊れやすい。欠けた殻の細かい破片を食べないように、と眼鏡をかけた。

minestrone.jpgわたしは、イヤなことがあるとキッチンで料理をすることが多い。
瞑想すると色々考えちゃうので、このほうが体にもよいと思っている。テレビで見る「セレブリティ・シェフ」のような華麗な手さばきではないけれど、洗ったり切ったり炒めたり混ぜたりしていると、結構気晴らしになるのだ。

ま、そんなわけで、今日は実だくさんのスープ、俗に言う「ミネストローネ」ってやつだ。名前だけはイタリア風でカッコイイかもしれないが、こういうものは店で食べるより家庭料理のほうがやっぱり素朴で美味しい。

豆は貯蔵室に残っていた乾燥豆を整理することにしたので、昨日から水に漬けておいた。探したら出てくること、出てくること。赤い豆、白い豆、ひよこ豆。それを漬け汁ごとコトコトと煮る。ベイリーフ(月桂樹の葉)を1枚、そしてぐしゃりとつぶしたトマトも忘れずに。これを入れて煮ると豆の皮が柔らかくなる、とどこかで読んだけれど、本当だろうか。

ときどき豆の固さをチェックしながら、テレビニュースをつけて、こないだ買ったエアロバイクを漕ぐ。コンピュータ制御なので、色々な道を想定することができて面白い。昨日は坂道登りを設定して、坂のてっぺんに着くまでに死にそうになった。しかしそこから今度は下り坂なので、ぴゅーんと飛ばして楽になったけれど。便利なもんだ。

三十分ぐらい漕いだら、今度は汗を拭き拭き、ソフリート(Soffrito)を作る。ソフリートというのは、弱火でゆっくりじっくり炒めた野菜のことだ。冷蔵庫をかき回して、あるだけの野菜をごっそりと刻む。セロリ、にんじん、玉ねぎ、フェンネル(ういきょう)、いんげん、ニンニク、西洋かぶ、そして香菜とバジルの茎。
大鍋にオリーブオイルをたらして、これまた刻んだパンチェッタ(イタリアンベーコン)を炒め、野菜を入れて混ぜたらあとは蓋を半分ほどしてじりじりと煮る。焦げないように時々混ぜながら弱火で20分ぐらい。

さてそんなことをしながら1時間ぐらいたつと、豆がやわらかくなっている。水をコップ1杯くらい残して、あとはざあっとこぼしてしまう。乾かないようにオリーブオイルを回しかけて、塩コショウ。
後は、チャードと呼ばれるギリシア風ほうれん草をざく切りにする。

さあて、これで下ごしらえは完了だ。

やわらかくなった野菜の上にほうれん草をぶちこみ、ホールトマトを二缶、半リットルぐらいのチキンブイヨン、冷凍庫からは肉団子を出してこれもぶちこむ。赤ワインをグラスに1杯鍋の中へ、そしてもう1杯はわたしのイブクロへ。

これで15分くらい煮て、味をみたらオシマイ。
食べるときには、パルミジャーノチーズを削るのを忘れずに。

時間はかかっているが、たいした仕事はしていない。本来ならここにパスタがはいるのがイタリア風だが、今回はなし。こういう手作りスープは、ごっそり実だくさんが美味しい。もうスープなんか端のほうに追いやられているというふうなのだ。レストランで食べるミネストローネはこうは行かないよ。

「洗練」という言葉にはほど遠いが、うちの母の作る味噌汁だっていつも実だくさんだった。

chillipickedorange.jpgここんところオレンジやみかんが大量に出回っているので、今回のサラダはオレンジ入りだ。オレンジはそのまま食べるだけではなく、メインの食事にも使うことが多い。豚肉のステーキなども、この新鮮なオレンジジュースを使ったソースでさっぱり食べることがある。

昨日の晩御飯のあとにオレンジを食べていたら、以前作ったピクルスを思い出した。簡単なので、ピクルスだけをとりあえず作ることに。
まずオレンジの皮を厚くむいて5mmくらいのスライスにしたら、種をとって深皿にいれておく。鍋に白ワイン酢をどぼどぼ(と言っても、カップ半分くらいか)、砂糖を大さじ三杯、刻んだ赤唐辛子とともに沸かして、砂糖が溶けたら熱いうちにオレンジにかけて、あとは一晩ほったらかしておく。

夕食の時間になったら、そのつけ汁をボウルに入れてオリーブオイルをたーらりたらりと加え、塩コショウする。これがドレッシング。
あとは冷蔵庫にあるもので、何だかギリシャ風かなと思うものを何でも加える。フェタチーズ、オリーブ、庭からむしってきたオレガノとイタリアンパセリ、そしてベビーリーフのサラダ菜。混ぜ合わせてから、並べたオレンジの上にどさりとかけて、出来上がり。

ピリリと唐辛子のきいたオレンジピクルスのせいで、微妙な味のコンビネーションになった。

pumpkinsoup.jpg雨模様の空が何日か続いたら、また夜の冷え込みが戻ってきてしまった。ヒーターをつけないと肌寒い。
日曜日の市場で大きなカボチャを買って来ておいたので、それを使って大鍋でパンプキンスープを作ることにした。寒い日は温かいスープが一番。ココナッツミルクを入れてタイ風にこってりさせるのもいいかと思ったが、いやいやローファットで行こうと決心。

カボチャは、そのままローストするだけで付け合せになるのでよく買う野菜だ。日本カボチャも手に入るが、今回はバターナッツと呼ばれる瓜型で大きなものを使った。

まずブツ切りにして皮をむいたカボチャを油を熱した大鍋に入れ、ニンニク2片と一緒に強火で焦げないように炒める。クーミンパウダーをぱっぱっと振りかけ、香りが出るまでもう少し。
チキンブイヨンと水を半々で1リットルくらい加え、沸騰したら火を弱めてコトコトと十分くらい。これをハンドミキサーでなめらかにしたら、塩コショウして味を整えるだけ。
ギリシャ風にプレーンヨーグルトをたらして、ふうふうと言いながら食べる。残ったスープは、小分けにしてから学校でのランチ用に冷凍。

ここまで書いてひょいとカテゴリを見たら、これが百個目の「食話休題」。
ホームページをブログにする前からゴハンを写真とともにアップしていたから、ホントはもう少し多くなっているはず。
凝ったものを作っているわけでもなく、更新も気ままで不定期だ。どちらかと言うと、「アレ、どうやって作ったっけー」の答えにするべく、メモ程度の意味で始めたカテゴリだった。きちんとレシピとして残そうなんて思っていたら、モノグサのわたしには続かなかっただろう。
それでも電子本まで出ちゃったことだし、とまた宣伝しておく。

lambsteak.jpg土曜日のショッピングセンターは、午後も遅くなると肉類が安くなり、もう少し遅く行くとほとんどの棚が半分以上空になってしまう。賞味期限の近づいているものを売り切ってしまいたいからだ。
だが専門の肉屋に行けば、パック詰めではない新鮮な肉を好みの厚さに切ってもらえる。子羊(ラム)のステーキはモモのところ、脂がちょんちょんと入っていていかにも柔らかそうだ。それをちょいと厚めに切ってもらう。

うちに帰って、庭からむしってきた大量のローズマリ、はちみつ、赤ワイン、そしてパプリカのマリネ液にたっぷり浸し、冷蔵庫に寝かせておく。これを、日が落ちてから庭のバーベキュー台でじゅうじゅうと焼いた。わたしのうちにあるのはガスでさっと火のつくやつだが、ラムの脂が焦げて美味しそうな香りの煙がもくもくと上がる。

付け合せは、アルミホイルに包んで同じくバーベキューにしたジャガイモと、タブーリー(Tabouleh)と呼ばれるレバノン料理のサラダ。
このタブーリーを初めて食べたのは、バンコクのレバノン料理の店だった。メインはパセリだから、いやと言うくらいビタミンCを摂った気分になる。バンコクのタブーリーはもちろん普通のパセリを使っていた。平べったいイタリアンパセリは、口当たりも柔らかくて生食にぴったりなのだが、わたしはなぜかこの普通のパセリで作ったものをバリバリと食べるほうが好きだ。

まずブルグール(Burghul)に熱湯をそそいで蓋をして三十分。ブルグールというのは、細かく砕いた小麦でインド料理や中近東料理によく登場する。ふやけたら、水を切る。
ミントの葉、玉ねぎ(または細ネギ)、トマト、そして大量のパセリをすべて細かく刻む。これにブルグールを加え、塩コショウ、クーミンパウダー、チリパウダーをぱっぱっと振りかけたら、あとはオリーブオイルとレモン汁をたらーりたらーりと混ぜ込むだけ。

甘く香ばしいラム肉のステーキを、タブーリーでさっぱりと口直ししながら食べる。これに楽しいおしゃべりが加わると、もう赤ワインが進むこと、進むこと。