食話休題: 2006年8月アーカイブ
こまめにお弁当と晩御飯を作っていたら、もちろん冷蔵庫にはほんの少しずつの野菜がいくつも残る。焼きそばかな、こういうときは。
貯蔵室には、こんな晩のために細麺の買い置きがある。何年か前までこういう細い麺はベトナム食品店にしかなかったが、今ではスーパーに常温保存できる蒸し麺の真空パックが売っている。これなら日本風の焼きそばも冷やし中華もできるので、重宝しているのだ。こちらでもっとポピュラーなのは、福建麺と呼ばれるまるでウドンのように太い麺だが、わたしはあまり買ったことがない。
シンガポール・ヌードルという名前を聞いたときには、どんな麺だと期待したが、中華料理屋で出てきたのは、見た目は中華風柔らかい細麺の焼きそばだった。ただカレーの味と香りがふんわりとする。こちらの中華料理屋で、普通の焼きそばに使われるのは例の福建麺だし、カレー粉は入っていない。
まず細切りの七面鳥(鶏肉よりこちらのほうが弾力がある)を解凍し、塩コショウしてから片栗粉をぱらぱらとなじませておき、油を熱したフライパンでざっと炒める。その間に、残り野菜(今晩は、ズッキーニ、たまねぎ、赤ピーマン、マッシュルーム)を刻み、にんにくをみじん切りに。肉に火が通ったらフライパンからおろし、ちょっぴり油を足してから今度はにんにくと野菜だ。ざっと炒めて塩こしょうしたら、肉を戻し、麺をほぐしていれる。カレー粉をぱらぱらとふりかけ、水をちょいと入れてまた炒め、あとは鍋肌から醤油をたらして出来上がり。細ネギの小口切りと香菜を食べる直前にぱらぱらっと散らす。調理時間は、十分もかからない。
醤油にカレー粉というのはとても相性がよくて、ソース味の懐かしい和風焼きそばより何だかエキゾチックに。
ぽかぽかと、いい天気。空は真っ青だし庭では初春の花が咲き始めた。
季節が反対のオーストラリアでは、これから春だ。
ずっと会っていなかった以前の学校の同僚を呼び、簡単なランチを作った。外は22℃、このくらいならパティオのテーブルで食事ができる。
生鮭の切り身を酒とみりんを混ぜた味噌に朝からつけておき、オーブンで軽く焼く。
その間に豪州産蕎麦を固めに茹でてザルにあけ、別に茹でておいた絹さや、小口切りにした細ネギ、そしてゴマを振りかける。蕎麦のつゆは、韓国産の安い鰹節を使って大量につくっておいた自家製のものだ。それにちょいとライム汁をしぼり、ゴマ油をたらした。
焼きあがった鮭を載せて、出来上がり。
普段は味噌漬けには白身の魚を使うのだが、今回は鮭が冷凍庫にあったのでそれで試してみた。ひとが来ると言ったって、そんなオオゴトに考えていてはわたしのような無精者には出来そうもない。自分の食べるものにちょいと手を加えたぐらいなら、何とか、ね。
添えたのは、和風ドレッシングのグリーンサラダのみ。
さて、こちらでは蕎麦は主食ではなくあくまでも「付け合せ」だ。
だから、ジャガイモやスパゲッティの代わりに使ったり、タイ風のココナッツミルク入りカレーソースで合えたり、サラダに入れたり、実だくさんのスープで煮ちゃったり、とかなり変わった使い方をされている。「今日はささっと軽く蕎麦でも」と、ネギをぱらぱらと振りかけただけでつゆごとずずずっとすするわけではない。
今回は、この蕎麦のベッドに鮭を載せて、なんだかこちらでよくある「フージョン料理」のような雰囲気になった。意外や意外、味噌の香りがほんのりとただよってこってりとした鮭も美味しい。
わたしはやっぱり白い御飯が欲しくなっちゃったけれどね。


