食話休題: 2004年10月アーカイブ
金曜日放課後に、カーティン大学で日本語を教えている友達を拾ってから帰宅。
さっそく飲んで食べて、彼女が帰ったときにはすでに日付が変わっていた。えんえんと八時間に及ぶおしゃべり。
そんなわけで、しゃべりすぎた翌朝は喉が痛く、オマケにちゃんぽんしちゃった酒のせいで頭もがんがん。昼過ぎまでふーらふらと家の中をただよってから、スーパーへと買出し。夜は簡単に、そして胃に優しいものが食べたくて、白身の魚と中国小松菜にした。薄く塩コショウした切り身に唐辛子と香草の茎、ショウガの細切りをのせてから、レモンと酒をふって電子レンジへ。小松菜はゆでてから、「高級」オイスターソースをかける。なんで高級かというと、これは普通のオイスターソースの値段の三倍ほどするのだ。中華料理のよく使うあの干し貝柱のエキスがたっぷりはいっている。しかし、かけてみればわかるが、味と風味がはるかにいい。これに炊きたて御飯で、今日はもちろん休肝日。
さっぱりしたアジア風が食べたくなり、「イイダコ」を買ってきた。こちらではベイビー・オクトパスと呼ばれる、極々小さなタコだ。これをぶつ切りにしてショウガ、唐辛子、香草の茎を全てみじん切りにして合えてから、ナンプラソースをぶっかけ、レモンをぎゅうっと絞る。
味がなじむまで、季節の絹さやの下ごしらえ。こちらの絹さやはデカくて日本のものより固いが、こういう季節の味は簡単に塩コショウしてごま油でさっと炒めると、歯ごたえもパリパリと気持ちいい。
絹さやを炒めた同じフライパンで(野菜を炒めただけだったら、フライパンは洗わない)ごま油を追加してからタコを炒めて、出来上がり。
炊きたての御飯を添えて、今晩はもちろん休肝日。
そういえば、全く「垂涎の日々」をアップしていなかった。お休みしている間にも何本か書いていたので、少しずつ載せていく。
26度ぐらいまで気温が上がると言うので、「洗濯だあああ」と思っていたら友達から電話がかかってきた。
「ものすごーくいい天気らしいから、ランチにおいでよ」
行く行く、といそいそと電話を切ったら、三十分もしないうちに今度は日本人の友達から電話。
「ものすごーくいい天気らしいから、ピクニックはどう?」
彼女の誕生日のお祝いを兼ねて、大学院の友達と皆でピクニックに行くと言う。
いきなりいい天気になったら、オサソイがふたつも重なってしまった。普段は「引く手アマタ」なんてことは絶対ないのだが。残念ながら、後者はまたの機会にということで、車で南下して友達の家に向かう。
もちろんバーベキューにサラダとジャガイモというオージーの定番だが、おいしいものはおいしい。話に花が咲いたが、ランチに呼ばれるのはそれなりにわけがある(つまり、夜は家族でゆっくりしたいということ)ので、夕方の早いうちに退散した。
昼にかなり食べたので、夜は軽いサラダに。
塩コショウした鶏胸肉のブツ切りを軽く炒めて取り出し、ポートワイン、ニンニク、クルミを同じフライパンで炒めネットリしてきたら、鶏肉を戻してソースをからめる。「アジアングリーン」と呼ばれるサラダミックスは、青梗菜の若芽もはいっていて実においしい。普段はこれにアジア風ドレッシングをかけるのだが、今日はシンプルにヴィネグレットドレッシング。シンプルなだけに、順番は守らなければならない。塩ひとつまみに白ワイン酢を加え、泡立てしゃもじでかきまぜる。そこにたらーりたらーりとヴァージンオリーブオイルをたらしながらかきまぜ続けると、とろりとした不透明なドレッシングになる。これが、元祖ヴィネグレット。
明日もまだ休みなんだから、と理由をこじつけてまたもや白ワインを開けてしまった。
怒涛のような一週間が終わった。
バンコクから戻った次の日に第四学期が始まってしまったので、いやはや疲れた。しかし、なーんだか終わったらいきなり気が大きくなって、白ワインでも開けるかってことに。
学校の帰りに寄った魚屋でタラのような魚を買い、ついでにこちらでは珍しい「えんがわ」付き帆立貝も入れてもらう。(こちらでは、あの赤い「えんがわ」なしのつるりとした生ホタテが多い。)そのあとスーパーで、もうほとんど季節が終わってしまったフェンネル(ウイキョウ)を名残り惜しげにさすっていたら、魚のさらっとしたスープ仕立てが食べたくなった。
フェンネルを四つに切って焦げ目をつけ、同じフライパンで玉ねぎ、ニンニク、唐辛子を炒める。そこにじゃじゃっとヴェルムート(食前酒に使う酒ですが、白ワインに香料が混ぜてあります)をかけて、サフランを少々とザク切りにしたトマト、そしてクールブイヨンと呼ばれる魚のコンソメを加える。フェンネルを戻してコトコトと煮ること10分、トマトソース、白身魚のブツ切り、ホタテを加えさらに5分。ウイキョウのお酒、Pernodをどぼどぼ。塩コショウして、出来上がり。
白ワインをぐいぐいと飲みながら作っていても出来上がってしまう、不思議なスープなのだ。要するに、簡単だと言うこと。
魚の匂いにつられて、猫のゆきちゃんは忙しい。
「猫舌」の彼女はそんなに近づくわけにはいかないが、匂いにはがまんできないらしい。キッチンのカウンタで鼻をうごめかしながら、切ない顔をしてわたしを見る。
もらってきたときにはクールだった彼女も、わたしがしょうことなしにちょっと味見をさせるのに気づいたため、料理を始めたらもうキッチンから動かない。
「だめぇ」と言いながらも、わたしはゆきちゃんには甘いんだよねえ。
新しいうちには、オーブンの下にグリルが備え付けてある。いつもは庭のバーベキューでじゅうじゅうとローストしてしまうのだが、鶏の足一本でわざわざ庭に出て蚊に刺されるのも嫌になり、今晩はこれを使ってみた。
ローズマリとバジリコに粒コショウを加えて、ハーブ用すり鉢でがんがんとつぶし、オリーブオイルをたらりとたらしてから、半分に切ったレモンをたっぷり絞ってやる。これで、マリネ液の出来上がり。鶏の足にからませておいてから、明日の授業の準備をする。
日が落ちて、ゆきちゃんが「お腹すいたよぅ」と一声あげると、わたしのお腹もくぅと鳴る。さっそくグリルをつけ、マリネしておいた鶏の足をぶちこみ、小さいジャガイモをふたつ水から茹でる。そろそろじゃがいもが柔らかくなるころに、手抜きついでのブロッコリもぶちこんでしまう。
グリルをのぞいてみると、鶏もちょうどよい具合。大きなフィールドマッシュルームに塩をぱらぱらとふって、その隣に並べ、待つこと五分。冷凍庫から出した茹でトウモロコシもレンジで温め直して、添えた。
このフィールドマッシュルームというやつは、写真でもわかるように、とてつもなくデカイ。しかし、何もつけずに塩焼きにしてレモンをたらすと、いやいやどうして結構おいしいのだ。


