イースターの朝食:ホットクロスバン

イースター(復活祭)の金曜日は、イエス・キリストが十字架にかけられた日だ。

その金曜日には全てのパブが閉まり、レストランでは酒類を注文できない。つまり酒売買禁止の日でもある。それでも、もちろん自宅やパーティーで飲むことが禁止されているわけではないので、隣の家のように1日じゅうドンチャン騒ぎをしているウチもある。
加えて、小売店やショッピングセンターはどこも開いていない。いつもは日曜でも祝日でも開いている店がイースターは閉まる。おかげで木曜日のショッピングセンターは狂乱状態で、閉店間近には棚に何もなくなってしまう。

hotcrossbunところが開いている店もある。パン屋だ。なぜかというと、金曜日の朝に食べるホットクロスバン(Hot Cross Bun)を売るためである。イギリスから来た伝統で、シナモンなどのスパイスを混ぜた柔らかく甘いパンのことだ。表面には白く十字が描かれ、そのままでも温めてもいいが、必ずたっぷりとバターを塗って食べる。
普通は6個入りの袋で売られているためとてもじゃないけど食べきれないことが多いが、昨日金曜日の朝4つ入りの小さな袋を見つけたのでそれを買ってきた。

今日は土曜日なので店は開いているが、明日の「キリストが復活する日」と伝統的な振替休日である「イースターの月曜日」はこれまた休み。日本の正月と同じように、外出するよりは家で家族や友達と過ごすことの多い数日間だ。

マザー・グースの歌を思い出させてくれたひとがいるので、動画のリンクを追加。

懐かしい。日本ではこの歌で英語を習う子供も多いが、ホンモノのホットクロスバンを見た子は少ないだろうな。

 

イカのなんとなくアジア風炒め

土曜日は4校合同の口頭インタビューテストの日。
間違えてアラームのかかっている新校舎の一部である部屋にはいって、盛大にブィンブィンブィンとアラームを15分ほど鳴らしてしまったり、選挙投票日に学校を使うなどと知らされていなかったために駐車場が投票者のために全部使用されていたりと、色々ハプニングもあったが無事終了。

squideBBQ

帰宅途中の車の中でふと「イカが食べたいなあ」と思い始めて、魚屋へ。着いた途端、仏頂面のカレン(丸顔中国系シンガポールおじさんの妻)に出くわす。いいひとなんだけど、どうも喜怒哀楽が激しく、気分のいいときはいつまでも話し続けているが、その反対の気分のときにはどう考えても「そりゃ客商売の顔じゃないよ」という目つきで客を睨みつける。今日は後者のほうの気分らしい。しまった。

「何がほしいのっ」「イカが欲しかったんだけど」「新鮮なのはないよ。冷凍だけ」「あらまあ、どうしようかな」「冷凍と言ったって、近くのフリマントルの港にあがったヤツをウチで冷凍したんだからねっ。それも新鮮なうちにっ」「あ、そ、そう。それなら200gほど…」「そんなちまちました量はないよっ。750グラムの袋入りっ」

どーんと750g入りの袋を持たされ、仕方ない、沢山作ってまた来週のお弁当用に冷凍しようと帰ってきた。冷凍だったので、そのまま室温で解凍できたときにはすでに7時。

まずはイカの処理、足を半分に切り、身は包丁の切り目を入れて食べやすい大きさに。そのあとは、ニンニクとショウガと唐辛子をみじん切り、冷凍してあったこぶみかんの葉を千切り、スプリングオニオンは5cmほどのブツ切り。

それを油を熱したフライパンに入れ、香りが出たらイカを加え、丸まってきたらスプリングオニオン、最後に醤油、フィッシュソース、オイスターソースで味をつけ、歯ごたえのためにお菓子用に買っておいたピーナッツの砕いたのを加えた。ざざっと炒め、香菜をちぎって混ぜ合わせてオシマイ。

何風ともきちんと言えない「なんとなくアジア風炒め」だが、日本米によく似た炊いたばかりのカリフォルニア米によく合う。
炭水化物はあまり摂っちゃあいけないんだが、まあいいや土曜日だもの。ついでに白ワインも、まあいいや土曜日だもの。

 

スモークサーモンとポテトのフリッタータ

パースの自宅は1000平方メートルもある古い家の裏庭に建てられた一戸建てだ。裏庭と言っても、建てる前に前の道路に出るためのドライブウェイが作られていて、完全に独立した一戸建てで塀で「前の家」とは隔てられている。
ちなみに、オーストラリアではこうした昔からの大きな敷地の裏庭に建てられた家が多く、道路に面した家のほうをFront House(前の家)Rear House(裏の家)という言い方をする。

3ヶ月ほど前にこの「前の家」に3人家族が引っ越してきた。40代のオーストラリア人夫婦と韓国から直接養子にした6歳の男の子だ。引っ越してきたばかりのころ挨拶にやってきたので、こちらもお茶に呼び何となく少しオツキアイが始まった。早朝や夕方になると「コーッコッコッコッコ…」という静かな鳴き声が聞こえることから、雌鳥を1羽飼っていることもわかった。毎朝新鮮な目玉焼きが食べられていいねえ、と男の子に言ったら満足そうな笑顔が返ってきた。

前置きが長くなったが、先週、帰宅すると家のドアの真ん前にカゴが置かれ、大きな卵が8つ。さっそくお礼に自家製和風サラダドレッシングの瓶を持っていったが…実はその前日に卵を6つ買っていた。いや、嬉しいけどどうしよう。

そんなわけで、ここ数日朝は生卵かけゴハン、目玉焼き、ゆで卵、だし巻き卵にしたが、まだ沢山残っている。こんな新鮮な卵を何日も置いておいてまずくする手はない。

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では、フリタータだ。
Frittataというのはイタリアの卵料理、それもフライパンで作るオープンオムレツと言ってもいい。これなら沢山卵を使うことができる。スモークサーモンもジャガイモもハーブも冷凍のグリーンピースもすでに買い置きしてあるし。

作り方は、わたしがささっと作ってしまうくらいなのだから難しいわけもない。朝からそうしようと思っていたので、帰宅したらすぐにジャガイモを水から茹で始めた。その間に、洋服を着替え、化粧をつるりんと落とし、猫たちの餌をやり、トイレを片づけ、昨日の白ワインをグラスの注ぎ、テレビのニュースをつけ、右手にワイングラス左手に猫じゃらしを持ち、あいちゃんとすーちゃんをからかっていたら、ジャガイモなんぞすぐに茹で上がってスライスできるぐらいまで冷めている。

大きくて深いフライパン(実は直径28cmタジーン鍋の蓋をとっただけ)にオリーブオイルをたらし、まずスライスしたジャガイモを敷き、グリーンピースをパラパラと撒き、サーモンを載せ、ディルをふりかける。塩コショウして溶いた卵を8個分、その半分量上から注ぎ、ほんの少し待って卵が端から固まっていくのを見てから、またジャガイモから始めてディルまでを繰り返す。最後の残りの卵を注いで、しばらく待つ。最後はオーブンのグリルで一気に表面をカリカリにする。

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拍子抜けするくらい簡単だが、これが地味に美味い。
付け合せは先週茹でて冷凍しておいたインゲンと缶詰のカネリーニという白豆に、エシャロットの薄切りを加え、シンプルなヴィネグレットで和えただけ。

卵を8個も使った巨大なフリッタータ。ひとりで食べるわけにもいかないので、さっきメールを書いて同僚たちに「明日はランチを持って来なくてもいいよ」と念を押した。ジャガイモを使っているので、冷凍できないからだ。皆で食べるほうがこういうものは美味しいんだよ、実は。