金曜日のおつまみ:イチジクとブルーチーズの生ハム巻き

水曜日に買ったイチジクがまだあることを思い出した。
まだブルーチーズも冷蔵庫にあることを思い出した。

ないのは生ハムだけだ。通り道のスーパーで「取りあえずの生ハム」を買ったら、何と小さいこと。3−5cmぐらい長さしかない。生ハムのコマ切れだ。イタリアン食品店でスライスしてもらう生ハムは、ゆうに15cmはある。これじゃ巻けないよ…。

それでもイチジクに十文字の切れ目を入れて、そこにブルーチーズを押し込み、その「取りあえずの生ハム」を貼り付けてみた。なんと見た目の悪いことよ。まるでパッチワークだ。

これを200度のオーブンで10分。出てきたら…おお、至福の味。見た目の悪さなんか関係ないのさ。この味にはかなわないのだから。ひとくちほおばったら、もう「パッチワーク」なんか目に入らない。どれだけトロリとブルーチーズがはみ出し、どれだけそれがねっとりとイチジクにからみつき、どれだけ生ハムと相性がいいか想像してみてほしい。

ワインはコチラ、ニュージーランド・マルボロー産のGIESEN、ソーヴィニヨン・ブラン。すっきりとしていて、後味のいい白ワインだ。後ろになぜかすーちゃんのアタマが見えているが、気にしない、気にしない。

今晩はこれをちびちびとやりながら、Netflixでも観るつもり。こうやって独りで飲む酒も悪くない。

「フランスの」鶏肉煮込み料理:プーレ・シャスール

「フランスの」を強調しているのにはわけがある。
実はこの料理、以前にもブログ記事にしたイタリア料理「鶏肉のトマト煮込み:ポロ・アラ・カチャトーラ」のフランス版なのだ。

鶏肉のトマト煮込み:ポロ・アラ・カチャトーラ

ポロ・アラ・カチャトーラのほうは、以前某レストランに写真をコピペされ、Facebookの記事に抗議したら、次の日にFacebookのアカウントごと削除された。

これってワタクシの撮った写真では?

ま、そんないわくつきの料理だが、冬になると今でも作る料理だ。ひとを招待したときにも作る。豪華にみえるけれど、簡単なので。

ところが、一度ウチに招待したことのあるフランス語教師が「あれー、わたしもこの料理知っているよ。ママンが時々作っていたもん」と言うので、レシピを訊いたことがある。

そして、次に頂いたのは某SNSで「オーストラリアで買った即席チキン・シャスールの美味しさが忘れられない」というメッセージだ。

Polo alla Cacciatora(イタリア語)
Poulet Chasseur(フランス語)
Chicken Chasseur(オーストラリア英語)

どれも同じ料理のことだ。ただしオーストラリア人は英仏ミックスの命名だ。フランス語の発音に疎いひともいるので、友達にこの料理のことを訊いたら「チキン・チャッサーのこと?」と言われて笑いをこらえるのに苦労した。なるほど、英語だとこういうふうにも読めるんだ。だが、オーストラリア人の名誉のためにも、チキン・シャスールときちんと言うひともいることを付け加えておく。

今回はそのフランス人教師のお母様のレシピで作ってみた。だから、ポロ・アラ・カチャトーラではなく、プーレ・シャスールのほうである。

わたしは丸鶏を買ってガンガンと叩き切るけれど、日本だったら骨付きのぶつ切り、つまりドラムスティックなんかいいのではないか。塩コショウしたこのぶつ切りに、小麦粉をはたいておく。ビニール袋に全部いれて、グニョグニョするだけ。

オリーブオイルを熱したフライパンで焦げ目をつける。

わたしはル・クルーゼの厚手鍋だけれど、普通の鍋でもいい。そこに入れておく。

次に煮込み汁をつくる。スライスしたマッシュルーム、刻んだエシャロットとニンニク、タイム、ローリエをオリーブで炒め、塩コショウし、白ワインを1カップほど加え、ブランデーを少し足す。どぼ、ぐらいかな。ついでに、わたしにも少し白ワインを足す。

アルコール分が飛んだら、すかさずトマトピュレーを加える。

実はわたしはオリーブオイルで炒めてしまったので、ここでバターを加えた。いや、フランス料理の常でやはりバターは必需品。

混ざったら、最後にチキンストックを500mlぐらい加える。

そして、焦げ目をつけておいた鶏肉に煮汁を入れ…

後はコトコトと煮込むだけ…だが、フランス人はこのままこのル・クルーゼを180度に温めたオーブンに1時間ほど直接蓋をしたまま入れてしまう。このほうが焦げずにまんべんなく火が回るからだという。ただしコンロでも、もちろんできる。焦げないように弱火でコトコト1時間だ。

できたけど、皿に盛ってしまってから気づいたので中身が1/3に減っているル・クルーゼ鍋。

付け合せにはインゲンとジャガイモを茹でた。

肉はホロホロと骨から外れ、柔らかい。汁は旨味がたっぷりと出ていて、皿はもちろんパンを使って最後の一滴まで拭き取らなければならない。

ああ、美味しい。

 

時間はかかるけれど簡単、イタリア風スタッフドローストポーク

2月の終わりごろに6人で気楽なディナーをすることになり、昔つくったことがあるスタッフドローストポーク(Stuffed Roast Pork、詰め物入りの豚肉ロースト)がいいかなと思ったのだが、ちょいとレシピが心もとない。ここ最近はローストと言うと、チキン以外はマリネしてオーブンにブチこむだけというものが多く、「グルグル巻」のローストはもうずいぶんつくっていない。

そんなわけで、小さめの試作品をつくってみようと3人分の晩ゴハンにした。ところが、肉屋に行ったらそんな1キロ以下のロースト用豚ロースなんて売っていない。「これが1番小さいんだけどね」と出されたのがコレ。なんと1.8キロ。もうすでに開いてある皮付きなので、あとは詰め物をつくってグルグル巻にするだけだが…3人でどうやって1.8キロなんて食べるんだ。
まあ、いいや。あと数日間手を変え品を変え何とか食べ尽くせばいいんだ、と購入。ゴムの入っているヒモも沢山もらった。

肉は焼きあがったときに皮が縮まらないように、皮に十文字に包丁を入れておく。ちなみに、わたしはそんなに食べないけれど、このローストしたカリカリの皮が大好きなひとも多い。

まずは詰め物から。
固くなった「昨日のパン」を使って荒いパン粉を作った。自家製のほうがかなり美味しい。フレッシュだし、何よりもこんなブレンダーを使ったら1分もたたないうちにできあがる。

そして、ポロねぎとフェンネルのザク切りをオリーブオイルで炒めて…

その間に豚肉の生ソーセージを腸皮から引き出し…

それから、もっとアロマを足すために乾煎りしたフェンネルシードを潰して加える。

ポロネギ(リーク)、フェンネル、ソーセージ2本分の肉、セイジ、パン粉、アーモンドのみじん切り、パインナッツのみじん切り、フェンネルシード、レモンの皮のみじん切りを全て塩コショウで炒めたのがコチラの詰め物。

この詰め物を開いた肉の上にまんべんなく載せる。肉が大きいまな板からはみ出しているが、気にしてはいけない。

それを中身がはみ出さないようにグルグルとゆっくりと巻き込み、ゴムになっているヒモで何箇所か留めたらできあがりだ。ばんざい。しかし、こんなデカいローストを3人で食べるのか。誰か来ないかと色々声をかけてはみたが、土曜日の午後に親しい友は全員出払っていた。

ちなみに、焼くまではこのままカバーしないで冷蔵庫に入れておく。そうすると皮が乾いてくれるので、焼いたときにパリパリになるので。ここまでは午前中にやってしまったので、後はちょっと遊びに行った。

さて、夕方には帰宅。そのままオーブンに火をいれて焼く準備をし…写真を撮るのをすっかり忘れていたのでちょっとオーブンから出したのがコレ。

フェンネル、玉ねぎ、パンチェッタ(なければベーコン)をザク切りにして敷き、その上に肉を載せて大体20分220度、あとは1時間30分から40分ぐらい140度でゆっくりと焼き上げる。わたしのオーブンはファンがついているけど、ファンのないオーブンは10度ぐらい上げること。ファンがついていると庫内は少し熱めなのだ。わたしはこのように温度計を使う。オーブンによっても少し違うけれど、必ず肉のど真ん中に刺す。詰め物のところに刺してしまうと肉の温度がわからない。豚肉の場合は大体この温度計が70度ぐらいになったらできあがりだ。

肉はアルミホイルでぴったり包んで15分置く。
そして、その間にジャガイモを茹で、ローズマリーと塩コショウをしてニンニクと一緒にオーブンで軽く焼く。拍子木に切ったときは茹でないで焼くだけだが、こうしたゴロンとした丸のままの場合茹でたほうが中まで火が通るので。

そして肉の下に敷いてあったフェンネル、玉ねぎ、パンチェッタは、茹でてザク切りにしたケールと混ぜて付け合わせに。

これがまた肉汁と脂が染みていて美味しい。

これが一人分。大皿の半分は肉、というものすごいボリュームだ。が、手間をかけただけあって、肉はきちんと焼けていて、ジューシーで柔らかい。これは確かに6人分だ。半分以上余ってしまったので、残り物パスタなど一連のゴハンがこれから数日続くと思われる。

忘れていたが、一応デザートも出している。チェリーとリンゴとピーチとプルーンに、クリームをホイップして加えた。いやにシンプルだが、まあメインがかなり重いのでこのぐらいが適当だ。

そして、これが次の日の晩ゴハンにつくった残り物パスタ。

豚肉ローストをサイコロに切り、ケールとチェリートマトと刻んだチリも加えてざっと炒めただけ。茹でたパスタと和えてイタリアンパセリを散らした。ピリっとしたチリが効いていて、ちょっと違う雰囲気の残り物パスタだ。

ローストはこうやって写真を見ていると大変そうだけれど、実はオーブンが全部やってくれているので、わたしは準備するだけだ。何時間もキッチンにたっているわけではないので、ひとを呼ぶときにはこうしたオーブン料理が多い。とても簡単なのに豪華に見えるでしょう?