ワタリガニとムール貝のスパゲッティー

今日は土曜日の祝日Anzac Dayの振替休日なので、ほとんどの店が開いている。明日も明後日もたぶん帰りが遅いので、今週食べるモノを買って来なければならない。テーブルの目の前にうず高く積まれている採点待ちの答案の束は、この際とりあえず無視して出かけた。

魚屋のおじさんが手を振っている。さてはまた何かあるな。
「今日はブルースイマーの新鮮なのが入っているよ」
Blue Swimmerというのはワタリガニの一種で、味はとてもいいのだが、細くてとにかく食べるのがめんどくさい。うーん、と渋っていたら「ぶつ切りにしてスープに入れたら美味しいよ」と、おじさんの手はもうすでに1匹袋に入れてしまっている。

確か、冷凍のブルースイマーの肉だけがまだ冷凍室にあったはず。この新鮮なヤツを煮立たせて美味しいエキスをとってからパスタにからめて…と考えたらヨダレが出そうになり、結局1匹だけ購入。ついでに隣にあったムール貝も3つかみばかり買った。

ムール貝はゴシゴシとタワシで貝殻をこすってから、白ワイン1杯とともに鍋に入れて軽く蒸した。こうすると茹でて旨味を流してしまうより美味しい。貝が開いたら、冷まして貝殻からはずしておく。蒸し汁はもちろん捨てない。

大鍋に湯を沸かし、沸騰したらトマト1個を放り込み、1分ぐらいで取り出したら皮をむいてざく切りに。生のスパゲッティーを買ってきたので、茹で上がるのはたった3分だ。このまま具が出来上がるまで、もう少しグラグラと待っていてもらう。

さて、カニとムール貝だ。
大きなフライパンにオリーブオイルをたっぷり熱し赤唐辛子とニンニクのみじん切りを炒めてから、カニのぶつ切りを豪快に炒める。そして、先ほどのムール貝を放り込み、ガラガラガシャガシャとうるさく炒め、青かったカニがマッカッカになったら、解凍した蟹肉を加え、先ほどのムール貝の茹で汁を加えてしばらく待つ。そうするとカニから出たエキスがほうわりと至福の香りを醸し出す。

スパゲッティーをアルデンテに茹でたら、湯を切ってざざっと具の入ったフライパンで混ぜあわせ、バジルの葉を散らした。

20150427_3カニである。こういうものは豪快に手を使い、指をぬらぬらとさせながら齧り、舐め、吸い尽くす。海の幸のエキスが絡みついたスパゲッティーを、そのベトベトした手でフォークを使って口に運ぶ。ヒトサマには見せられないカッコで食べるスパゲッティーの何と美味しいことよ。

 

スワンヴァレーのLittle River Restaurant

このブログに何度も登場しているワイナリー兼レストラン「リトルリバー」は、パースを初めて訪れた1999年に行った。そのときはまだレストランもカフェもなく、ワイン貯蔵庫の前にテーブルを置いて試飲を提供していた。残念ながらまだそんなに美味しいと感じるワインがなく、甘い食後酒としてのマスカットワインを買って帰ったと記憶している。

ワイナリーを経営するブルーノはフランス・ボルドーの男爵家出身で、元々フランスでもワイナリーの系譜を持っているらしい。そんな彼の作り出すワインは、もちろん深みのあるルビー色をしたシラーズやマルベックなどが主流だ。数は少ないが丁寧に作られたワインを提供していて、わたしはまとめてダース買いをしている。なかでも数年前に最後の1箱を買った2004年のカベルネ・ソーヴィニヨンは、いまだに4本ウチのワインセラーの空調付き貯蔵庫で眠っている。12本買ったのにすでに8本消滅してしまったので、なんとか飲まないで10年待つぞと固く決心だけはしているのだが。

さて、このリトルリバーにはレストランも併設されている。こじんまりとしたビストロだ。ぶどう畑を望むテラスでは、時々ライブのギタリストがはいることもある。メニューは至ってシンプル。煮込み料理には定評があり、ラム肉や鶏肉などが使われている。

まずワイン試飲のコーナーがレストランの一角にあるので、そこでワインを選んでからテーブルに戻ってディップとパンを注文。ワインをちびちびと飲みながらディップを塗ったパンをつまみ、メイン料理の到着を待つ。わたしが注文したのはいつものコック・オ・ヴァン、骨付き鶏肉の赤ワイン煮込みだ。バジル風味のマッシュポテトとサラダがついてくる。ワインは2005年のシラーズだ。料理はまさにこのワインのためにつくられたようなもので、どっしりと深みがあり実に美味しい。ただ、量が多いので全部食べられないことが多い。残念ながら。

デザートはアイスクリームをもうひとりの友達と分け合った。チョコレートソースをかけたバニラアイスクリーム。これには、全員一致で2011年のノーブル・クラシックを飲んだが、さっぱりとしたフレンチ風、マスカットから作られた甘い食後酒はアイスクリームによく合う。

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ここに来るとあまりの居心地のよさにいつも時間を忘れてしまう。そこが他の有名ワイナリーにある気取ったレストランと違うところだ。12時に予約をして来たのに、支払いを済ませて店を出るとすでに3時を回っていた。

ハリッサのラム肉グリルとオレンジ・クスクス

ハリッサは地中海風料理を作るときには欠かせない調味料だ。唐辛子、オリーブオイル、各種スパイスのミックスペーストで、チューブ入りやビン入りなどで手に入る。

何だか辛いものが食べたくなり、買ってきたラム肉をこのハリッサとクーミンで味つけしてグリルに。オレンジは1個まるごと皮だけ削ってみじん切りにし、大さじ2杯ほどジュースを絞ったら、皮を向いて身だけ荒くほぐしておく。

グラグラと湯が沸騰したら、鍋に入れたクスクスとオレンジの皮にざざっと加え、5分ぐらい蓋をしたまま待つと、柔らかくほぐれたクスクスができあがる。そこに絞り汁を加え、ミントの葉をみじん切りにして放り込み、味を整えながら全体にざっと混ぜ合わせる。

ラム肉はこんなにウェルダンにするつもりはなかったのに、友達から電話がかかってきて、グリルからおろすのを忘れてしまった。火を止めておくべきだった…失敗、失敗。ハリッサの味がぴりりと効いて美味しいことに変わりないが、わたしはラム肉はミディアム・レアぐらいが一番好きなので。

オレンジクスクスは、オレンジの甘みとシトラスの香りがミントと混ざり合って、さっぱりとラム肉をひきたててくれる。こういう組み合わせはとても新鮮だ。

さて、今日から始まった第二学期の授業。
なんだかやることが沢山ありすぎて、どこから手を付けたらいいのかわからない状態。こういうときは料理でもして少し気を変えないと、また不眠症の日々に戻りそうな予感。やれやれ。