採点しながらすする辛味噌麺

期末近くなると、必ず膨大な量の採点に時間をとられ、週末はほとんど赤ペンを握りしめる生活になります。
今回はトータル768枚の答案があり、クラス人数の多い下級生たちを受け持っているわたしは、またしても学校内でイチバン多い答案保持教師の座を勝ち取りました。
そんなわけで、週末に優雅な料理なんぞしている暇もあらばこそ、気がついたらランチまで忘れていました。ヘンテコな時間ですが、そのまま答案をかついで近くのベトナム料理屋に。

そんな時間にもかかわらず、安くて美味しいと評判の食堂は半分ほどテーブルが埋まっています。わたしは答案を広げるのにちょうどよい4人席にでんと座り、いつものように辛味噌入りの汁ビーフンを注文してから、がりがりと赤ペンを走らせていました。
ドアの近くの席だったので、はいってくる客からわたしのしていることは丸見えです。まあ知っている顔もいないだろうとタカをくくっていたら、ちょうどはいってきた大勢のひとたちの中に見覚えのある8年生の子供の顔が。そしてその後ろから見えるのは、彼女の姉である9年生の女の子。隣には11年生の女の子。ぞろぞろと入ってきたのは、インドネシア系家族総勢9人だったのです。6人兄弟に父母、そしてどうやら祖母らしきひともいます。
わたしはと言えば、ジーンズにくたびれたTシャツ、もちろんすっぴんにド近眼めがねというイデタチです。いやいや、誰にも会いたくないときに限って、こうしたことは起こるものなのです。
「センセー、赤い汁を答案に飛ばさないでねー」とわざわざ笑いながら言いに来た9年生の後姿を見ながら、わたしはそうっと麺をすすり始めました。
(初出:メルマガ「AVANCE!」 No. 124, 04/04/2004)

バッテンのついた菓子パン

ヨーロッパでもこれはどちらかと言うとアングロサクソン系の習慣らしく、スイスやフランスでは見たことがない。
アングロサクソンの「春の女神」(イースター)を崇めるために作られたのがその始まりで、この丸い形は月を、そして十字は四季を表している。しかし、初期のキリスト教会がこの習慣を引き継いで宗教的な意義が強めたため、本来の「春を祝う」という習慣は薄れていってしまったようだ。

店先に出回る食べ物によって、季節または伝統を感じるというのは日本でもよくあることだが、このバッテンのついた菓子パンで「ああ、もうすぐ休暇だい」とウキウキしてくるのは子供たちもセンセイも同じである。

昨日放課後の語学教師ミーティングの席でも、この菓子パンがふるまわれた。普段しかめっつらをしているセンセイたちの顔ももちろんほころんでしまう。
わたしもひとつもらったが、選んだのはチョコレートチップ入りのものだ。シナモンの香りが鼻をくすぐり、あんまり美味しいので「どこで買ったの?」と思わず聞いてしまった。

今日ショッピングに出たのは、普段の「買出し」もあったが、ホントの目的はもちろん焼きたての Hot Cross Bun である。朝のうちに車をブッ飛ばして買いに出た甲斐があり、パン屋のおじさんが渡してくれた紙袋からは、シナモンの香りとともに暖かいぬくもりが手にじんわりと伝わってきた。

ポークチョップのアンチョビソース添え

何を食べようかなあ、と迷っていたのだが、結局土曜日に買っておいて「冷凍するのを忘れた」ポークチョップにする。
ニンニクの切り口をすりこんで塩コショウ、それをグリルしてからソースをつくる。ソースはスライスしたマッシュルームにパインナッツ、みじん切りのアンチョビを加え、軽く炒めてから赤ワインをじゅっとかけて煮詰める。そこにスープを入れてとろみをつけ、出来上がり。簡単だが意外にコクのあるソースで、アンチョビと豚肉は相性がよいこともあわかった。しかし、ソースに使った赤ワインの残りはやっぱり飲んじゃうよねえ。