鶏のレモンバジル・ロースト

アルバニーから五十キロほど北に行くと、マウント・バーカーという小さな町がある。何の変哲もない田舎の町だが、この町の一角で育てられた「放し飼いの鶏」は名古屋コーチンのように全国的に有名だ。身はしまっていて美味しく、ブロイラーにありがちな臭みもない。普通の鶏肉に比べるとかなり高いが、スーパーでも手にはいる。

今日は、オーストラリアン・ディ(豪州建国記念日)で祝日なのでほとんどの店が閉まっている。昨日のうちに、鶏を一匹買っておいてよかった。
ここ二日ほど外食で揚げ物が多かったせいか、今晩はこれを使って裏庭でバーベキューだ。近くの農家で、ズッキーニ、ゴールデン・キャロット(金色のニンジン、味はフツウのものと同じ)そして皮付きのトウモロコシも仕入れてきた。

朝ハイキングに出かける前に、一応鶏肉だけは下ごしらえをして置く。丸のままの鶏肉を開き、レモン汁、オリーブオイル、塩、コショウ、にんにく、バジリコのみじん切りを混ぜ合わせ、このマリネ液に鶏肉をドブン。ラップして冷蔵庫へ。
清々しい森の散策のあと、近くのパブで白ワインを二杯ほどひっかけて帰ってきたのが、五時。

トウモロコシの皮を芯から離さないように剥き、毛をむしり取る。そのまま水をはったボウルにつけること一時間。皮を戻してから、バーベキューの上で蒸し焼きにする。水を含ませたのは、こうしたほうが焦げないからだ。
鶏の「大股開き」はきれいにマリネ液をすっているから、そのままバーベキューに乗せて蓋をし、1時間半ほど。鶏肉が焼きあがるころに、他の野菜を乗せてこれまたじゅうじゅうと焼くだけ。

サラダには、ハイキングに行ったときに摘んできたナスターシアムの花弁を添える。ナスターシアムは、鮮やかなオレンジ色をしていて、ちょいとピリリと舌に快い。生食できる花だが、そこら辺に雑草のごとく生えている。
さて。
アルバニーの隣デンマーク市のワイナリー、West Cape Howeのシャルドネを何本か合わせて、今宵の晩餐の始まり、始まり。

 

寒くなったり暑くなったり、三国横断

十六日に寒い東京から暑いバンコクに戻り、二十二日にその暑いバンコクからさらに暑い三十六度のパースに戻り、さらに二十四日からは十二度のアルバニーに来ている。あまりの環境の変化に、体温の調節までおかしくなりそうだ。

アルバニーはパースから南へ四百キロ、南極海に面する港町だ。美しい景色と様々なレジャーを求めて、たくさんの観光客が訪れるリゾートでもある。
一応六日ほどの予定で訪れたが、雨が降ったらここら辺は寒い。どうやら、一週間ほど北オーストラリアにとどまっていたサイクロン嵐の影響らしい。(注:オーストラリアは南極に近いので南にいけばいくほど寒く、北はもちろん熱帯気候になる)

着いたばかりの昨日はまだ灰色の雲がかかっているだけだったが、今朝から窓を激しく打つ雨になってしまった。寒い。長袖のセーターとジャケットを持ってきてよかった。
せっかく国立公園にハイキングにでも行くつもりだったのに、この天気では無理だ。予定変更して、荒れる海を見ながら、エミュー港で「フィッシュ・アンド・チップス」を食べる。ぎょっとするほどの量だが、かりかりと揚がったフライドポテトが美味しい。

バタバタという羽ばたきに空を見上げたら、ペリカンが街灯(というより「港灯」だ)にとまろうと苦心中だ。大量の糞で汚されないようにと、彼らがとまり易い電灯にはペリカンよけの棒が何本も張り出している。大きなクチバシを斜めにし、細い柱の上で危なっかしくすべりながらやっと重心をとった。ゴクロウサン。

夏休みだあ

昨日やっと走りまくった第四学期が終わり、怖いセンセイたちもいつもの苦虫かみつぶしたような顔をほころばせて、肩たたきあったりハグしたりとニコヤカである。チョコレートやらクリスマスカードやらも飛び交い、生徒たちもお気に入りのセンセイたちにプレゼントを渡す。いやはや、こういうときの生徒たちは、「爪を隠した天使」のようである。

わたしは、今日午後から西オーストラリアの北端Karratha(カラサ)に週末旅行に行く予定だ。一応「北」ではあるが、熱帯気候の土地柄なので気温は42℃前後らしい。帽子にサングラス、SP60のサンスクリーンを抱えて、いざ出発。