マーガレット・リバーへ:2日目のHamelin BayとVoyager Estate

さて、2日目の朝。
昨日の飽食のせいで、ホテルの部屋に含まれている朝食はギリギリまで食べず、シャワーを浴びたり今日やることを確認したり。

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朝食は併設されているイタリア料理店で。そこに行くには一旦外へ出て、井戸の横から塔のある家に入らなければならない。増築を重ねたらしく、どうもあちこちにドアやら開き戸があって、どうやってどこに行くのか、説明してもらわないとわからない。

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そして、こんなふうな美しいステンドグラスのドアまで行くと、アチラがわはイタリア料理店だ。

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出された朝食は結構ボリュームがあり、胸焼けが出そうなベーコンだけは残した。卵はバターを使うものは食べたくなかったので、ポーチドエッグで。パンも1枚だけ。でも珈琲は追加…したら400円取られた。

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まだ午前中なので、マーガレット・リバーの反対側のはずれには市場がたつ。レトロなミニバスの珈琲店が出ていたり、カブなどのパースでは珍しい野菜や焼きたてのパンやお菓子が出ていて、どれも美味しそう。

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わたしが買ったのは、柔らかくて味のよいヌガーと「ヌガーのリキュール」。甘くてとろりとしていて、とても美味しいお酒だ。

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そこからは、一気に林を抜けて南下。ジャラーと呼ばれるマホガニーゴムノキの林を走るときには、窓を開ける。冷たくきりりとした風と木の香りが鼻をくすぐる。途中にいくつもある駐車場には、連休のせいか、沢山の観光客がハイキングシューズと大きなレンズのカメラに三脚を携えてゆっくりと歩いて行く。時間があったら、わたしもハイキングをしてみたいくらいの静けさだ。

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途中にあった近くのアーティストたちのギャラリーで、この奇妙な形の花瓶(らしきもの)を購入。農家の古い門扉を繋いでいたジャラーの木の柱をリサイクルしたものだという。Roger Pykeというひとの作品。このまま飾るか、卓上ランプに改造するか、まだ考えているところ。

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Hamelin Bay(ハメリン湾)は、マーガレット・リバーから約30キロのインド洋に面する静かな湾岸だ。砂は粒がとても小さくほとんどパウダーのようで素足に気持がいい。

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ここはStingyrayと呼ばれるアカエイが集まるビーチとしても知られている。浜辺では釣りをするひとたちで賑わっているが、アカエイたちはそのおこぼれにあずかろうとやって来るらしい。巨大なエイだが性格はおとなしいと言う。ただし、怒らせるとその限りではない。シッポは鋭いキリのように尖っているので、これで刺されると命にもかかわる場合がある。

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こちらは、YouTubeで見つけた同じ海岸のアカエイの動画。大きさがよくわかると思う。

帰り道で、Voyager Estate(ボエジャー・エステート)というワイナリーを訪れた。「マーガレット・リヴァーの⻩金の三角地帯」に1991年に設立された、かなり名の知られたワイナリーだ。

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こちらでは、試飲はカウンターで立ったままする従来のものと、25ドル払ってテーブルで行われるプレミウムワイン6種類の試飲に分けられる。有料と言っても、ワインを購入すれば無料になるシステムだ。後者を選ぶと、立ち試飲カウンターの横にあるテーブルに座って担当者を待つ。ワイングラスは6個。赤か白、またはミックスなどの種類があり、わたしは赤のコースを選んだ。

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iPadが提供され、各々のワインの説明を詳しく読むことができる。そして、鉛筆とワイン名と簡単な説明が記されたプリントも。至れり尽くせりである。担当者が来ると、よどみない説明とともにワインが次々に注がれる。あとは、自分に合った速度で飲みながらワインが選べるのだ。質問があるときには、呼べばすぐに担当者が戻ってくる。

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立ち試飲のものより少しずつ量が多いので、ほんわりといい気持ちになってくる。そして、その勢いに乗って1ダース購入。立ち試飲ですでに心を決めていた、少し寝かせておきたい2013年の白Chenin Blancを6本。2009年のShirazを3本。続いてワイナリーの北ブロックのみの葡萄を使った2009年Cabernet Sauvignon Project U12を3本。どれも「今飲まないであと数年」と言われたワインだが、果たしていつまで持つことやら。

ホテルに戻ったら、門番猫が向こう側からじっとこちらを見ていた。まあ、何と立派な眉毛とおヒゲ。

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実はこの日はランチなし。10時ごろに食べた朝ごはんのせいで、あまりお腹がすいていなかったせいだ。取りあえず予約しておいたワイナリーのコース料理が6時半。

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そんなわけで、夕方に近くのTaphouseというパブでスナックのナッツとサイダーを。ここはまだ早い時間なのですいているが、昨日Miki’s Open Kitchenからの帰りに通ったら、若者のバンドが入ってものすごい騒音の中、皆飛び跳ねて踊っていた。いやー、わたしの年代はこんなふうに早い時間にささっとサイダーかビールを飲んで、ウチに帰ってしまうんだろうなあ。たぶん。

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壁にはジャラーの木で作った大きな地図があり、カウンターではなんとドラフトビールならぬ「ドラフトワイン」まで注文できる。名前も書いていないから、たぶんとてつもなく安いワインなのだろうけれども。わたしはこのマーガレット・リバーの地元ビール醸造店からのドラフト・サイダーを。少々甘めだがさっぱりした後味。色はかなり薄い。

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このあと、タクシー会社に電話をしたあたりから今日のハプニングが次々と始まるのだが、それはまた次のエントリで。

 

マーガレット・リバーへ:1日目のMiki’s Open Kitchen

電話はMiki’s Open Kitchenのスタッフからだった。「8時20分でしたら予約できます」とのこと。キャンセルが出たら知らせてほしい、と言っておいてよかった。

マーガレット・リバーでは有名な天ぷら専門の和食店で、オーストラリアのGourmet Travellers誌の2014年「Australia 100」に入った注目のレストランだ。なぜ「オープン」かと言うと、店のほとんど半分を占めているのが天ぷらを揚げたりする調理場で、その大きなオープンキッチンを囲んでカウンターに座れるようになっているからだ。あとは6人以上一緒に座れるグループ席がふたつしかない。かなり小さなレストランだ。
昼間Googleの地図を頼りにぶらぶらと通りを歩いてみたが、あまりにも奥まっていて何度も通ったけれど見つからなかったくらいだ。トイレは外にあるし、お世辞にもイマ風のお金をかけたレイアウトの店とは言いがたい。混んでいるのは、美味しい食事とキッチンの「舞台鑑賞」があるからだろう。

さっそく予約時間に飛んで行った(いや、ホテルが同じ道にあるので5分ほどテクテクと歩いていった)。
かなり質素な入り口なのでまたもや見つけるのに苦労したが、昼間に確認しておかなかったら電話をかけなければならなかったかもしれない。それほどちんまりとしている。

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メニューを開くと、コース料理がふたつとアラカルトメニューがいくつか。わたしは選べるコース料理を選択。まずは、和風で言うところの「お通し」が登場。こちらはコースが始まる直前に供されるものでAmuseまたはAmuse Boucheと呼ばれる一口サイズの前菜だ。イイダコの天ぷらに出し汁がかけてあり、クリームチーズには青のりがまぶしてある。始まりとしてはとてもいい感じ。

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「今日の刺し身のヅケ」と「緑茶燻製のカンガルーにカブの漬物とゴマソース添え」。刺し身はマグロの赤みで、柔らかく甘い。カンガルーは…燻製だからだろうが少々固く干からびた感じ。カンガルーはいずれにしろ火を入れるとパサパサするので、燻製にするならもう少し柔らかく油ののった肉類のほうが良かったのではと思った。カブの漬物にはビックリ。パースではカブなど見たことがないのだ。そうしたら、次の日に行った市場にはあったので、マーガレット・リバーでは買えるようだ。いいなあ。

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ホワイティングはキスの一種。天ぷらにして上からシソと塩で味付けがしてある。さすがに天ぷらは素晴らしい。からっと揚がった衣の下で柔らかくくずれる味の良い白身魚が舌と歯に心地よい。この隣にあった「アコヤガイの揚げ物と自家製佃煮ソース」と「帆立貝のフライ、ヒチミ・アイオリソース添え」も絶品。最初「ヒチミとは?」と思ったが、出てきたら「七味」だった。確か日本でも数字の七を「ひち」と読む地方があったような。どこだっけ。

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「お口直し」として供されたのは「そうめんと大根と人参のサラダ、トビコとゴマソースのせ」。こちらはお口直しの名に恥じず、さらりと喉越しのいい一品。

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最後の締めは「かき揚げ」「豆腐田楽の竹の葉蒸し」「紫蘇御飯」だ。
かき揚げはからっと揚がっていて美味しく歯ごたえもいい。ただし、わたしの好みとしてはもう少し太く切って野菜の歯ごたえの違いを楽しみたかった。あまりにも細切りなので、どれがどの野菜かわからないのだ。豆腐の田楽は可もなく不可もなし。紫蘇御飯はかき揚げをオカズに美味しくいただいた。

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最後はデザートの「ゆず風味パンナコッタ」。これは、かき揚げの後にさっぱりと口の中に広がり、風味も豊かだ。申し分ない。一緒に注文したのは「ゆず梅酒」。切子のショットグラスで色合いも美しい。

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ディナーを終えて、オープンキッチンにして客から全て見えるようにしたのは、客寄せとしては素晴らしいアイデアだと思った。オーストラリアには和食好きが沢山いるが、天ぷらやフライをどのようにしてつくるのかは全く知らないひとたちが多い。天ぷらを揚げるときに丁寧にカスを取り、銅に混ぜたころもにさっとひたした具をそっとひとつずつ揚げ鍋に落とす。そして、あとから少しころもを垂らして全体的にからりと揚げる。そうした仕草を見ながら高品質のディナーを楽しめるのが、当たったのだろう。マーガレット・リバーに行くひとには、ぜひ予約することをお勧めする。

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わたしは、もう一度行って今度は「天ぷらコース」を注文してみたい。そして、天ぷら以外のもののこれからのさらなる開発に期待したい。

苦言だが、もう少しオーストラリア人スタッフの感じがいいとなあ…。出てきたものが何だかわからず2回ほど呼び止めて訊いた客に、「メニューをお渡ししますから、ご自分でチェックしてください」と。忙しいのはわかるが、言い方にもう少し優しさがあってもいいのではないかとそのときに思った。だって、Amuseやサラダなどその日の素材で決まるものもあって、メニューには「サラダ」としか載っていないし。
そんなわけで、隣の客に「自分でチェックするように」とメニューが渡されたときに、わたしもついでにメニューを頼んでiPhoneで撮影しておいた。

さて、第2日目へ続く。

 

マーガレット・リバーへ:1日目のランチとホテル

私立校には「学期中間休み」というものがある。元々は寮のある学校の生徒たちが自宅に戻るための短期休暇だったが、今では寮のない学校でも休みを入れるようになった。生徒たちは金曜日と月曜日が休みで4日連休だが、いつもは教師たちは1日スタッフ・デイでセミナーやらミーティングやらでつぶれる。が、今年から1年に1度だけは教師も4日間休めることに。バンザイ。

このまま家でゴロゴロしていてもいいのだが、家にいればゼッタイに学校の仕事もしてしまうのは目に見えている。そういうものを全部放り出して「休暇」をとろう。実は、わたしは「移動」は沢山しているが、「休暇」という「日常から離れてゆっくり」という日々を送ったことが最近ほとんどないのだった。

ということで、マーガレット・リバーへ。
まだパースに住み始める前に1度行ったことがあるきりなので、15年ぶりだ。

ひたすら高速を南下して200km、ランチのためCapel Vale (ケーペルヴェール)ワイナリーに寄った。西オーストラリアの比較的涼しい地方の各地にワイン畑を開発したパイオニア的存在で、最近レストランのほうではワインの種類にマッチしたメニューを供するようになり、評判になっている。カウンターで試したリースリングがとても美味しかったので、リースリングマッチを注文。

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メニューは、生牡蠣、レモン皮を練り込んだフムス・ディップ、フェンネルとレモンの皮でマリネした海老の串焼き、スモークサーモンとクレームフレッシュのオムレツ、ペッパーベリーとフェンネルシード入りのハーブデュッカ、オリーブオイル、自家製パン、ヴァンランセ風ヤギのソフトチーズに洋梨とイチジクのペースト、ローズマリーのクリスプスティック、レモネードとローズマリーのケーキ。

「上からひとつずつ順番にお試しください」と書かれているので、ひとくち飲んでは食べてその通りにしたら…いやはや、何とも美味しいこと。

結局、この市販されていない西オーストラリア・マウントバーカー産の2011年リースリングを6本と、どうしても家でも食べたくなった自家製ハーブデュッカを購入。

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その後ドライブを続行、70kmほど走ったところでマーガレット・リバーに着いた。全部で270キロ。あまりにも広い西オーストラリアでは、このぐらい走らないと「近くの」リゾート地には行けない。

予約しておいたホテルは、たった1本しか大通りのないマーガレット・リバーで百年以上たった建物を使っている老舗。イタリア料理店が隣接されているが、ホテル共々同じ家族の所有らしい。さて中に入ってみたら…ステキに古くてなんとも言えない怪しげな雰囲気。要するに、オバケが出そうな部屋なのだ。

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古い木の香りとどこを踏んでもギシギシと音がする床。レストランやパブの並ぶ(何度も言うが)「ひとつしかない大通り」のはずれにあるので、夜になるといきなりしーんと音もしない。他の部屋はかなり離れていて、何だかひとの気配さえない。怖いよう。

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おまけに「寒かったらご自由にお使いください」と言われた、この薪をくべる方式のとんでもなく古いストーブ。薪なんかどうやって火をつけたらいいのか、見当もつかない。幸運なことに電気ストーブも置いてあったので、そちらのほうにパチンとスイッチを入れた。

ディナーは以前から行ってみたいと思っていたレストランがあったので、パースから1日前に電話予約をしようとしたが、なんと満席。どんなに時間をずらせようが全く入れない状態。もっと早く連絡しておけばよかったなあ、と悔やんでみても後の祭り。
ホテルのソファに座って、大通りのどこかのレストランにもぐりこもうとiPhoneでレストランリストを眺めていたら、突然電話がかかってきた。(続く)