がびのテラス - 軽妙にして辛辣、独断にして優雅に

美食飽食と楽しいおしゃべりの夕べ

豪州の洒落たグルメレストランでは、シェフが腕をふるう「おまかせティスティングメニュー」が近頃のハヤリだ。7-8皿の料理が前菜からデザートまで供さ れ、その各一皿ごとにレストランで選ばれたワイン(もしくは今晩の前菜のように、豪州産日本酒)がグラスで楽しめる。各料理の量はほんの少しづつなのだ が、なにしろそれを延べ4時間にわたって、様々なグラスワインと共に食するとなると、結構ハラにもたれるものでもある。

わたしが「キミってほん とに少ししか食べないんだね」と言われたのは遠い昔、まだ10代の初恋のときだけだ。ましてやシドニーからはるばるやってきたワインとグルメの御大マイク が今晩のデートの相手ときては、「ええーわたし小食なんですぅ」などと言っても呵呵大笑されるのがオチである。その二人が揃いも揃って、最後のデザートと デザートワインを半分残したというのだから、どのくらいの量がわたしたちのイブクロに収まったか想像できるだろう。げにオソロシきかな、ティスティングメ ニュー。

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