がびのテラス - 軽妙にして辛辣、独断にして優雅に

友達のメンテナンス

冷蔵庫もエアコンもヒーターも車もメンテナンスが大切だ。

実は、人間関係だって同じかもしれない。バンコクで古い手紙類を整理していたら、最近、というより10年ほど疎遠になっている友人がかなりいることに気づいたのだ。わたしがオーストラリアに住むようになり、特にここのところ疎遠になっている友人たち。話し始めれば昔と同じく楽しい時間 が過ごせるし、以前は近い友人だったのを確認できるのだから、めんどくさがらずに「どうしてる?」コールかメールをしなければ…と思いながらはや数年。

このごろでは、そうした「元」友人たちがオーストラリアでも増え始めた。

学生だったころの友達や、最初の職についたころの友達。教職についているひとたちならば、それでも様々な場所でばったりということがあり旧交を暖めることもできるが、教育の場から去っていったひとたちとは、ほとんど交流がない。教育を学んでいたときには机を並べていたが、離婚して現在はイタリアで観光ガイドの仕事をしていたり、結婚して4人も子供を作って今は仕事をしていなかったり、あるいは自営の店を始めたひともいる。皆風の便りに聞いた話ばかりだ。

こんなに時間がたってしまって、すでにわたしのことなんか忘れているんじゃないだろうか。いきなり連絡して迷惑かもしれないし。などなど、言い訳を考え出せばキリがない。

ところが、去年わたしはあるひとから嬉しいメールをもらった。まだフランスにいたころのスイス人の友達だった。5年ほど前までクリスマスカードだけは交換していたが、それ以来何となく連絡が遠のいてしまった。日本への出張があり、当時フランスで仲が良かったひとたちと同窓会を開いて、わたしの話題が出たのだと言う。写真が添えられてあり、年をとってしまったけれど思い出の中の笑顔がそっくりその写真の笑顔と重なって、とても嬉しくなった。すぐに長いお礼のメールを書いて、他のひとたちのメールアドレスももらった。懐かしかった。

今度はわたしの番かもしれない。
連絡が途絶えてしまった国外の友達には、クリスマスカードを送ってみよう。そして、パースで何となく遠くなってしまった友達には、短いメールで近況を知らせてみよう。本当は、迷惑だなんて思うひとはいないはずだ。自分への言い訳で時間を無駄にせず、以前親しかったひとたちに小さな懐かしさを送ろう。

メンテナンスとまでは行かないけれど、わたしがちょっと驚いて嬉しかったことを他のひとたちにもこんなふうにおすそ分けしていけたらいいなと思っている。

 

4 COMMENTS

pooh

「友達のメンテナンス」素敵だと思います!
わたしも毎年の年賀状に「今年こそは会おう!」なんて書きつつ
まったく実現させていないお友達がいますっ。
今年は本当に今年こそ!なんて思っていたのに、もう4月。
お子さんがいるお宅は4月は忙しいかしら、
5月のゴールデンウィークは外した方がいいかしら、
なーんて考えていないでメールしてみようかしら。
素敵なアイデアありがとうございます♪

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がび

好きだから友達でいたのに、なぜか遠くなってしまったひとたち。
連絡しなくちゃ、と思いながらも何年もたってしまって。

わたしもバンコクにいたときに、友達に電話してみたんです。ものすごくしばらくぶりに。
もう時間がなかったから、次のバンコク行きにレストランで会うのを約束しました。
楽しみです!

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出張コマリ

懐かしい友達の顔をいっぱい思い出して、切なくなって、温かくなりました。
あの子、あの人、元気かな。
私も連絡してみよう♪

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がび

>出張コマリさん(出張って…笑)
ね。かつては友達だったんですもの。
絶対そのひとだって懐かしい、嬉しいと思ってくれるはず。

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