ナナップ:どしゃぶり雨の寂しい花祭り

私立校は寮を併設しているところがほとんどなので、10月から12月初めまでの第四学期以外は、各学期の真ん中に「中間休み」というものがある。寮生たちが自宅に戻れるように、金曜日と月曜日に休みを設けて4日間の長い週末である。ところがセンセイたちの金曜日に「職員デイ」で、授業がない代わりミーティングや研修の日となっている。

その金曜日がセンセイたちにも年に1度だけ休みになるのが、この8月半ばの中間休みだ。天気はあまり期待できなかったが、4日も休みならどこかへ行こうよということになった。

どこかにイベントはないかと調べてみたら、ナナップ(Nannap)に花祭りがあり、もう少し足を伸ばせばManjimapのトリュフ狩りもある。それにしようと決め、さっそく二泊三日の旅に出発した。

最初は天気もよく、多少は雲があったがそれでも青空が広がっていた。

ところが、バンバリー(Bunbury)を過ぎたころからどんどんと薄暗くなり、雲が空を覆ってしまった。

ナナップはパースからだと約227キロほど。バンバリーからは100キロ弱の距離だ。ここらへんからもうポツポツと雨まで降り始めた。パースは晴れていたのに、わざわざ天気の悪い地域に入ってしまったというわけだ。

街の中に車を停めると田舎町にしては人手がある。ただしk金曜日なので若いひとたちはほとんどが働いているのか学校に行っているのか、傘をさした白髪の高齢者が目立つ。明るくなってはきたが、雨は依然として強くわたしは写真もこれ一枚で断念した。街の中心地にある記念碑だ。チューリップの色が雨に映えて美しい。

もう昼をずいぶん過ぎて2時近い。取りあえずそのへんのパブ(と言っても1軒しかないようだったが)に飛び込んでランチを注文した。ほとんどが自分の家でもできそうなメニューで目新しくもなかったが、2時でキッチンが閉まるというので急いでハンバーガーを注文した。

果たして…出てきたのはオーストラリアの田舎名物「ナイフがてっぺんから貫いているハンバーガー」だ。これがパースのような一応都会になると、オーストラリア国旗のついた爪楊枝なのだが、田舎に行くにしたがってこの「ナイフ突き刺し型ハンバーガー」が多くなる。

ハンバーグ自体は冷凍モノを解凍して焼いただけ。チーズはあのプロセスチーズを固めただけの一番安いスライス。ビートルートも缶詰の味。フライドポテトは冷凍食品でそのまま揚げ油に落とせば出来上がるシロモノ。ウソみたいだがこれで1500円近くする。ワインを1杯つけたら2000円を超えるランチだ。
そりゃパースだって外食は高いが、このパブは1軒だけしかないのを幸いに、全く食べ物の味に無関心なようだ。ましてや、この週末のメニューは「花祭りランチメニュー」となっている。たぶん観光客を見越して普段の日より高いのだろう。あまりの不味さにさすがのわたしも半分残してしまった。

あとは地元の小中学校と園芸ショップの庭造り展覧会があったが、それもあまりにも小さくて暗くてシロウトっぽく、さっと見ただけで出た。10ドル(約800円)の入場料は寄付と言うほかはない。

いずれにしろ、雨のせいでこの小さな田舎町の1年に1回のお祭りは悲しいほど活気がない。人口500人ほどの町のひとたちがそのイベントのためにかけた労力を思うと、とても残念。花祭りの屋台も半分以上が店を閉めていて、とても「祭り」という雰囲気ではない。

すでに4時近かったので早々にナナップをあとにし、今夜の宿のあるブリッジタウン(Bridgetown)に向かった。

ブリッジタウンは人口2500人にも満たない小さな町だが、果物栽培と美しい景色の散策で「夏には」休暇で訪れるひとたちが多い。わたしも以前来たときには、近くのビール醸造所や果樹園に寄って楽しかった思い出がある。

ただし今回は冬だ。町の中はスーパーマーケットのチェーン店を除いてほとんどの店が徐々に暗くなる5時には閉まってしまう。レストランやカフェもラストオーダーは8時だ。パースではディナーの予約をするひとが8時というのも珍しくないので、少々ビックリ。

宿はNelsons。モーテルだかホテルだかよくわからないが、部屋は広く清潔で大きなレストランも併設されている。他のホテルはトイレとバスルームが共用のところが多く、バスルームが部屋にあるだけで一泊2万円以上に跳ね上がる。ワイナリーで有名なマーガレットリバーのほうが宿が安いのは、需要と供給がはるかにに多いからかもしれない。小さな町のホテルは利用するひとが少ないとも言える。まして今は閑散期の冬だ。わたしが泊まったNelsonsはバス・トイレ付きで安いほうだが、それでも一泊約15000円ほどする。

夜は、車でメイン道路を流したときに見つけたエンポリアム・ビストロ(Emporium Bistro)という店で軽い夕食とワインを摂ったのだが、ここは大当たりだった。それについては次回の記事で。

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