がびのテラス - 軽妙にして辛辣、独断にして優雅に

パースの散歩:コーズウェイからバースウッドへ

パースは真冬の8月から春になった今まで朝晩は10度以下の日々が続いている。雨まで降って、まさかのジャケットやスカーフまで必要な天気だ。公式に記録更新されたほどの「パースで最も寒い春」と言われている。

そんな春だったがようやくそれでも昼間は暖かくなってきた。今日、日曜日の昼間の気温は22度だ。こんなポカポカした午後なら散歩に最適なので、スワン川にかかる橋コーズウェイへ。

全部で6.2キロのコースだ。
まずは地図ルートの下方の右角にあるコーズウェイの橋が始まる地点で、駐車場に車を停めた。帽子とサングラスで武装し、水筒とカメラのバッグを持ち、日焼け止めを塗りたくってイザ出発。

橋を渡って川辺に降りてから、コーズウェイの橋を望む。

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対岸に見えるのがバースウッドのカジノとホテル。この後方にわたしの自宅がある。

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イーストパースにさしかかった散歩の途中で水飲み場があった。フィットネスのマシーンまで並んでいる。コーズウェイの橋からそろそろ1キロという地点だ。散歩の途中の休憩でマシーンまで使ってしまうひとがいるのが、オーストラリア。わたしには到底できないけれど。

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イーストパースの入江。おしゃれなカフェが並んでいて、日曜日ともなるとかなり混んでいる人気の地域。後ろにパース中心街の高層ビルが並んでいる。

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バースウッドの橋(地図で言うと緑色の矢印のある場所)を渡ろうとしたら、橋のたもとで釣りをしている男性がいた。ちょうど釣り上げたのがブリーム。コイ科の一種の淡水魚で、魚屋でも買える一般的な魚だ。

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「ああ、これは放してやらないとな」と言いながら、釣り人はブリームを傷つけないようにタオルで優しく包んでから、釣り針から離して川に放り込んだ。
「なんで放してやらなきゃいけないの?」
「小さすぎるからだよ。ブリームだと25センチ以下は釣ってはいけないんだ」

スワン川で釣りをするのは自由だが、釣れる魚の大きさは規定があってかなり厳しい。それ以下の小さいものを釣ると罰金が待っている。橋にはそうした魚やカニなどの種類と釣ってもいいサイズの表が貼ってあった。つまり、生態系の保存のために稚魚に規定されるものは破壊してはいけないということである。

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橋を渡ってバースウッド側はなぜか風が強い。帽子を飛ばされないように抑えながら歩く、歩く。すでに4キロ以上の距離を制覇。

対岸に先程歩いてきたイーストパースの家並みが見える。

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バースウッド側には建設中の巨大なスタジアムがあり、そのせいで遊歩道が制限されて迂回したりしなければならず、また視界も建設のフェンスや大きな幌などで遮られる場所も多い。わたしの自宅近くの鉄道駅がこのスタジアムを通ることもあり、電車が建設のため止まったりとかなり近所では支障をきたしているので、早く終わってくれないかなというのがバースウッド側の近所の大半の住人の願いだ。

しかし、パースには街なかでも野生の鳥が沢山いて楽しい。なかでも大きなペリカンたちは時々悠々と飛んでいるのに出会うが、大概車を運転しているときなので写真も撮れない。そのペリカンたちが工事現場のフェンスのある水辺でゆっくりと休んでいた。

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こんなに沢山かたまっているのはめったにないので、もっと近くで写真を撮ろうとそっと近づいて行ったら…

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全員揃って首を上げて立ち上がった。今にも飛び立ちそうだ。ひえー。そそくさとシャッターを切ってすぐに退散したのは言うまでもない。野生の鳥たちはやはり臆病なのだ。

そろそろまたコーズウェイの橋が見える辺りには、今度は凛々しく雄々しく立って、こちらの散歩する人間たちをじっと見つめる鴨の姿が。

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その2メートルほど先には、雛鳥たちがまだフワフワの産毛を風に揺らせながら毛づくろいをしている。どうやら、雛鳥たちがいるために警戒しているらしい。

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パースは州都で一応は都会なのだが、こうした自然はまだ街なかにも沢山ある。散歩が好きなわたしは紫外線が強いため完全武装で出かけるが、それでも自然は美しく、歩くのは楽しい。今回は全行程6.2キロ、写真を撮るために立ち止まった時間も入れて2時間と10分ぐらい。

やっと春らしくなったパースは、これから猛暑が始まるまでが1番散歩にいい季節なのだ。

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