タスマニアへ:ローンセストンの高級中華飯店

正直な話、何日も朝昼晩とずっと食べ続けていたオーストラリア料理に飽きてきた。
いや、不味いというのではないが、どちらかと言うと「醤油だのオイスターソースだのの炒めモノと白飯」という中華が食べたい。

検索して行ってみたのがMe Wahという中華飯店。
わたしがパースでよく行く「少々薄汚れていてうるさくてサービスもよいとは言えなくて、でもとびきり美味い」という店とは少々違っていて面食らってしまった。

エレガントなのである。
ウェイターたちは皆黒いスーツ姿、広々とした店内で食事しているひとたちの間を優雅に動きまわり、笑顔は少々慇懃無礼ではあるけれど親切でサービスも的確だ。白いテーブルクロスはびしっとアイロンが効いているし、ティーポットはパースの店で出されるような茶渋のこびりついて端が欠けているようなものではなく、これだ。

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いや、パースの中華料理の名誉のために付け足しておくと、パースにだって高級中華飯店はゴマンとある。華麗なサービスと文句が言えないほどの至福の料理、支払いの段階になってめまいがするほど高級なレストランも行ったことがある。
だが、失礼ながらどちらかと言うと繁華街からは外れていて、わたしのパースの近所よりはるかにさびれた雰囲気の界隈で、外から見たら何の変哲もないフツウの中華飯店。中に入ってビックリ、である。

注文したのは、まず中華風カキフライ(記事最初の写真)。カラリと揚がっていて、しかも中は柔らかくプリプリの新鮮なカキだ。さすがカキの州、タスマニア。そして、帆立貝のXO醤炒め。何せタスマニアの名物帆立貝を使っているのだから、不味いわけがない。肉厚の大きなホタテをさっと炒めただけ。それなのに、ため息が出るほど美味しい。

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シーフード入りのオムレツ、オイスターソースかけ。
細かいエビ、イカ、魚などが沢山入っていて、ふっくらした卵焼きだ。白飯が進む。

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ミックス野菜の炒めもの。
こういうシンプルな炒めものに、店の品位が出ると言っても過言ではない。熱い油でさっと炒めてからニンニク入りの塩だれを絡めてある。

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しかし、高い。
隣のテーブルに座った6人の学生とおぼしき若い男性たちは、メニューを開いただけで凍りついていた。前菜で2000円前後、メインは3000円から4000円である。それでも長いこと中国語で議論を重ねてからいくつか注文して食べていたが、食べ盛りの6人には少なすぎる量で気の毒になってしまった。

そして、わたしのテーブルの周りにいる「オーストラリアの白人たち」の席には、前菜が運ばれてから主菜になり、それもひとりずつの皿である。完全に洋食サービスのパターンだ。

好奇心が抑えられなくて、後でウェイターに訊いてみた。

つまり、「ワタシは豚肉の蒸した肉まんの前菜で、メインはチキンとカシューナッツの炒めものね」「ボクはカニ餃子で、メインは酢豚」というように別々に注文するひとたち(=あまり中華料理をよくしらないひとたち)には、フツウのオーストラリア料理のようにサービスしているらしい。
そして、わたしのように「コレとコレとコレとコレね。待っている間に、カキフライ。それから白飯。あ、ジャスミン茶じゃなくてポーレイ茶ね」などと全員分を一気に注文してしまうと、中華風に真ん中に全部の皿が一斉に運ばれてくるらしい。

不思議なレストランだ…。
後でパースの友だちに話したら「ああ、そういうサービスをする高級中華飯店で、ものすごく有名なのがメルボルンにあるよ」とのこと。
ふうん。

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