がびのテラス - 軽妙にして辛辣、独断にして優雅に

宿題のないオーストラリアの夏休み

日本では夏休みが始まり、よく訪れるソーシャルネットワークのサイトでもちらほら「宿題」の話が出始めた。すでに課題に着手している子供たちもそりゃあいるだろうが、大半は8月半ばすぎから尻に火が着いたように始めることだろう。あの時代のわたしのように。

オーストラリアでは、季節が逆なので12月半ばから1月末までが夏休みだ。北半球のほとんどの国では夏休みのあとの9月に新学年が始まるが、こちらではそれが2月に当たる。つまりほとんどの国では「秋」が学年の始まりなのだ。

長い休暇のあとに学年がひとつ上がり、クラス編成も変更になり、科目の担当教師も変わることが多い。従って、「宿題」が出されることはほとんどない。
休暇は休暇だ。家族や友達と出かけたり、好きなことをして過ごすこ とが「義務付けられている」。四学期制なので、年に3回それぞれ2週間の休みがあり、年末の夏休みは6週間。それでも、受験生である12年生には宿題を出 すが、それはこの7月の「冬休み」が終わったらすでに期末試験と大学入試が待っているからだ。最上級生は、だから時々わたしにPDFファイルに変換した作 文練習を送ってくるので、必ず添削して送り返すことにしている。
7年生から11年生までの生徒には、全く宿題がない。学力的には問題のある生徒ももちろんいるが、休みは休み。まあ私立校ともなれば、教師は新学期の準備でかなり忙しいが、それでも部活の合宿があるひと以外は、義務として登校することはまずない。

日本の夏休みは学年の真ん中なので、不幸なことに宿題だの課題だのがゴッソリ出される。教師にとっても夏休みなんて「休み」でもなんでもない。補習授業はあるし、部活はあるし、どこが休みなんだよと言いたくもなるだろう。

「休暇」に対してどうも後ろめたい雰囲気があり、何かしなければならないという焦燥感にとらわれているような気もする。祝日はオーストラリアよりはるかに多いが、それも「祝日にしないと休暇もとらない」ひとたちがいまだに大半を占めているから、というのはどこかで読んだ。

さて、来週授業が始まったら1番に返さなければならない採点以外は、わたしも何もしていない。明日の朝、パースに着いたら週末返上で準備しなければ、と今から何だか気が重い。こりゃ小学生の夏休み最後の週に徹夜で仕上げた課題のときと全く同じだ。
やれやれ、わたしは全く成長していないんだなあ。

 

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