がびのテラス - 軽妙にして辛辣、独断にして優雅に

スワンヴァレーのLittle River Restaurant

このブログに何度も登場しているワイナリー兼レストラン「リトルリバー」は、パースを初めて訪れた1999年に行った。そのときはまだレストランもカフェもなく、ワイン貯蔵庫の前にテーブルを置いて試飲を提供していた。残念ながらまだそんなに美味しいと感じるワインがなく、甘い食後酒としてのマスカットワインを買って帰ったと記憶している。

ワイナリーを経営するブルーノはフランス・ボルドーの男爵家出身で、元々フランスでもワイナリーの系譜を持っているらしい。そんな彼の作り出すワインは、もちろん深みのあるルビー色をしたシラーズやマルベックなどが主流だ。数は少ないが丁寧に作られたワインを提供していて、わたしはまとめてダース買いをしている。なかでも数年前に最後の1箱を買った2004年のカベルネ・ソーヴィニヨンは、いまだに4本ウチのワインセラーの空調付き貯蔵庫で眠っている。12本買ったのにすでに8本消滅してしまったので、なんとか飲まないで10年待つぞと固く決心だけはしているのだが。

さて、このリトルリバーにはレストランも併設されている。こじんまりとしたビストロだ。ぶどう畑を望むテラスでは、時々ライブのギタリストがはいることもある。メニューは至ってシンプル。煮込み料理には定評があり、ラム肉や鶏肉などが使われている。

まずワイン試飲のコーナーがレストランの一角にあるので、そこでワインを選んでからテーブルに戻ってディップとパンを注文。ワインをちびちびと飲みながらディップを塗ったパンをつまみ、メイン料理の到着を待つ。わたしが注文したのはいつものコック・オ・ヴァン、骨付き鶏肉の赤ワイン煮込みだ。バジル風味のマッシュポテトとサラダがついてくる。ワインは2005年のシラーズだ。料理はまさにこのワインのためにつくられたようなもので、どっしりと深みがあり実に美味しい。ただ、量が多いので全部食べられないことが多い。残念ながら。

デザートはアイスクリームをもうひとりの友達と分け合った。チョコレートソースをかけたバニラアイスクリーム。これには、全員一致で2011年のノーブル・クラシックを飲んだが、さっぱりとしたフレンチ風、マスカットから作られた甘い食後酒はアイスクリームによく合う。

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ここに来るとあまりの居心地のよさにいつも時間を忘れてしまう。そこが他の有名ワイナリーにある気取ったレストランと違うところだ。12時に予約をして来たのに、支払いを済ませて店を出るとすでに3時を回っていた。

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