ウサギのイタリア風シチュウ Coniglio in Umido

ウサギを食べることには抵抗がない。
20代前半からフランス、スイスでずっと過ごしたこともあり、食用ウサギを飼っているひとも近くにいたし、街の肉屋にも豚肉や牛肉や鶏肉などと同じくウサギが気軽に買えたし、秋になれば野生のウサギがレストランのメニューに並んでいたからだ。

オーストラリアに住むようになって、こちらではあまりウサギを食べる習慣がないことに気づいた。多文化国家と言えど、まだ大半がイギリスからの移民だ。「ウサギを食べるの?きゃー」と驚くひとも多い。カンガルーはスーパーの肉売り場には普通に打っているんだが、街の肉屋でもウサギは冷凍モノしか見たことがない。

だから、近所の肉屋で冷凍ではない新鮮なウサギ肉を見たときにはビックリした。バルディビス(Baldivis)というパースから南へ46キロほどの近郊には、ウサギ農場があるという。いつもあるわけではないが、仕入れたときには店の前に看板を出す、と肉屋のオヤジが得意そうに言った。「他の肉屋にあるのは冷凍だけだからねえ」

久しぶりに食べたくなったので、丸ごと1羽買って食べやすい大きさに切り分けてもらった。家庭用の包丁ではこうは行かない。
ちなみに、ウサギは鶏と同じく日本語では1羽、2羽と数える。昔、哺乳類の食用が禁じられていたころ、長い耳が鳥の羽に見えるのでウサギだけは食べることができたという習わしの残りだそうだが、ご存じだろうか。

さて、週末はそんなウサギの晩餐に「抵抗どころか大喜びのフランス人の友達」を呼び、煮込み料理を作ることにした。作り方はいたって簡単だ。
まず、分厚いル・クルーゼの鍋にオリーブオイルをたっぷり熱し、潰したニンニクを3片ほど、庭からむしってきたローズマリ、荒く刻んだ玉ねぎを放り込み、香りがでたら塩コショウしたウサギ肉を中火でゆっくりと炒める。ひっくり返しながら肉がいい色になったら、今度は赤ワインをどぼっとグラスにたっぷり1杯ほど入れ、アルコールを飛ばしている間にもう1杯ついだが、これはわたしの分。

あとはトマト缶を1缶、スライスしたマッシュルーム、黒オリーブ、ベイリーフを加えて、1時間ほど弱火でコトコトと煮込んだ。その間に隣のなべではリゾットを作っている。普通のご飯と違って、リゾットはオリーブオイルで炒めてからスープを注ぎながら煮るので、どちらかというと芯が少し残るアルデンテの米料理だが、こうした煮込み料理にはよく似合う。

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付け合せは芽キャベツの塩ゆで。
上からは刻んだイタリアンパセリをたっぷりと振りかけた。

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ウサギの肉は鶏肉によく似て淡白な白い肉だが、もう少しクセがある。だからワインやハーブをふんだんに使った煮込み料理が多い。こんなふうによく煮込んだ肉は骨からするりと剥がれるが、ウサギは細かい骨があるので食べるときに気をつけなければならない。

全員久しぶりにウサギを前にして、何だか笑みがこぼれる。
大して手をかけてはいないが、皆手伝ってくれたせいで実は出来上がる前に赤ワインは1本空いてしまい、結局4人で2本半ほど。美味しい食事とワインとおしゃべりで、土曜日の夜は楽しく更けていった。

 

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