がびのテラス - 軽妙にして辛辣、独断にして優雅に

アカデミー賞の傾向と対策

昨晩はアカデミー賞授賞式にかじりついていたため、結局寝たのは12時を過ぎてから。欠伸をしていた子供たちも多かったが、もしかしたら同じ理由なのかもしれない。

シャーリーズ・セロンの最優秀主演女優賞は、その「モンスター」という映画を観ていないので何とも言えないが、どうもアカデミー賞というのは演技以前の「見目麗しき俳優がその身体をイタメつけなければならない役」にひどくヨワイらしい。
彼女は15kg太って、連続殺人で死刑になった娼婦を演じたし、去年は風呂にも入らず化粧もせず下層労働者階級の女性を演じたハル・ベリーだし、2年前はツケ鼻のニコール・キッドマン、3年前は性同一障害の女性(完全にオトコに見える)を演じたヒラリー・スワンクだ。

主演男優賞のほうだって、ブクブクに太った元ボクサーを演じたロバート・デニーロやら、ゲイのエイズ患者役で20kg減らしたトム・ハンクスなどが挙げられるし、パラノイアの数学者はラッセル・クロウだ。

じゃあなんでブリジット・ジョーンズで顔も身体も丸くしたルネー・ゼルウェッガーが賞をとれないかと言うと、あまりに軽いラブコメだからだ。アカデミー賞はシリアスものにもヨワイ。

ちょいと見せてくれた「モンスター」の1場面で、いやものすごい御面相と体型になってしまったシャーリーズ・セロンが出ていたが、ホワイト・トラッシュ特有の英語も合わせると「ここまでやるかい」と思わせるものがある。舞台に出てきたセンスのよいドレス姿のすらりとした美女がこうなるなんて、もうこれだけで選考委員たちが迫力に圧されてしまったのもうなずける。

しかし、賞をとるなら「こんな題材で、こんな俳優がこんなことをする」なんて傾向と対策がありそうな気もする。ここ数年主演女優賞がそればっかり、というのも胡散臭いよね。

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