2件のコメント

日本で報道されない「津波後のタイ」

色々な救援活動があるもので、中国がインターポールを通してDNA鑑定の援助を申し出た。タイよりははるかに進んで(いるらしい)中国の技術と設備は、かなりすみやかに結果を検出できるという。新聞には「2週間で結果が出せるらしい」と書いてあるが、これは遺体一体につき2週間かかる、ということだろう。
現在のところ一番被害のひどかったカオ・ラック海岸を含むパンガーのタクア・パ地区では、三つの寺が分担して遺体を保存している。1800体、1200体、500体とあるから、総数約3500体にも上る。そのうちの60%が外国人だというが、外観だけの判断ではほとんどが「アジア人かそうでないか」で分けられるため、他アジア諸国民の遺体がタイ人の遺体のなかに混在していることも考えられる。
つまり、3500体の身元がまだ確認されていないのだ。検死専門家たちが必死で歯型とDNAの採取をしているが、暑さのため遺体につけられたタグが損傷してまた採取やり直しなどという二度手間もかかっているらしい。
これだけ多くの遺体が、DNAまたは歯型を通して「生前の名前」を取り戻すのに、一体どのくらいの時間がかかるのだろうか。
========================================
シュテルン紙オンラインターゲスアンツァイガー(スイス)によると、津波の犠牲者となった人々の中で、現在のところすでに身元の確認されたドイツ人死者は60人、スイス人死者は23人となっている(タイを含むアジア諸国での総数)。そして、依然として1000人以上のドイツ人と約500人のスイス人が行方不明だ。
========================================
奇妙だが恐ろしいニュースも、ヨーロッパのメディアから伝わってきている。
フォークス紙オンラインによると、生存者として病院で治療を受けていた12歳のスウェーデン人少年が蒸発してしまったのだ。
彼は45歳の母、14歳の兄、7歳の妹とともにプーケットで休暇を過ごしていた26日、津波で被災した。スウェーデンにいた父はすぐに来タイし、病院を探し回って14歳と7歳の子供たちを発見した。しかし、母親と12歳の息子は依然として行方不明、生存の見込みは薄い。ところが、ある病院で少年の写真を照会したところ、ひとりの医者とふたりの看護婦が、その少年の治療をしたと確認したのだ。そして、治療のあと黒い髪に口髭をつけたヨーロッパ系の男が連れ去った、と。
はじめのうち、タイ警察は相手にしなかったらしいが、事件が正確に描かれていくにつれ、真剣に取り組み始めたようだ。スウェーデン政府はすでに本国から刑事をふたり送り、本格的な捜索が開始されている。
どうも、これは俗にいう「人攫い」らしい。タイではまだ国際的な「人身売買」も密かに行われているし、津波被災の混乱にまぎれて親からはぐれた子供をさらったというのが、大方の推理だ。この少年はもうすでにタイにはいないだろう、とタイ紙バンコク・ポストにも5日付で記事が出た。
========================================
悲惨な津波のニュースはいまだに日本以外の国々ではトップニュースだが、「メディアは、まるでプーケット全てが破壊しつくされてしまったかのような印象をひとびとに与えている」として、津波後のプーケットを異なった視点からサポートするサイトがある。イメージ・アジアというサイトの「津波後のタイ」(英語)という特集だ。ここでは、「津波に破壊されなかったタイ」が「バランスのとれた情報のために」世界に向けて発信されている。
ほとんどの政府も、破壊された設備とサービスの困難さを理由に、タイのプーケット、クラビ、カオ・ラックへの旅をする自国民に対し警告を出した。そして、それに伴い、多くのひとびとが津波後の旅をキャンセルし、南国の楽園プーケットを休暇先のリストからはずした。
しかし、このサイトを見るかぎり、カオ・ラックなどの被害の多かった地域以外は普段と変わらず、何もかもが営業中だということがわかる。ここには、津波後のプーケット周辺のリゾート・ホテルの営業状態をリストにし、ピピ島への日帰り観光の模様などの写真もアップされている。
一面的なメディアの発信と政府の警告のために、観光業に携わる何千もの現地タイ人たちが路頭に迷い、また迷うことを確実にした。災害のための援助には、こうした失業者の援助そして積極的な地域のプロモーションも含まれるべきではないのか、とこのサイトは問いかける。

2件のコメント

  1. SECRET: 0
    PASS:
    Jazzeandblogにコメントありがとうございます。
    観光地から復旧活動が始まるということは、観光に依拠している政策上しょうがないのかもしれない&妥当な面もあるのかもしれませんが、被災地支援に関してもメディアの使い方が今後の大きな課題になってきそうですね。
    ぼくが前から関心を抱いている中東諸国にしても、イスラム原理主義と安易に結び付けられて語られることが人々の心理に大きな影響を与えたり…。現地の人の手に届かないところで語られてしまうのがどのような場合も、恐ろしく、悔しいことだと思います。
    体調が早く回復されるといいですね。今後のエントリー楽しみにしています。これからもよろしくお願いします。

  2. SECRET: 0
    PASS:
    こんにちは、ahinamaさん。
    コメントを見落としていました、すみません。
    風邪、まだ直っていないのですよ、悲しいことに。咳が止まらないので、困ります。
    今のところはタイにいて、現地新聞も読むことができますが、ネットに載るのはダイジェストなので、津波後のタイを知ることも難しくなってきます。各国の記事を比較して読んではいるのですが、どこも少しずつ記事が隅のほうに追いやられていきますから、これからはタイ新聞オンラインに頼るほかはないのでしょうね。
    これからも、よろしくお願いします。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA