ウィンナーのタコさん炒め

日本の味で今も何だか懐かしく思い出すのは、タコさん型のウィンナー炒め。
真っ赤な毒々しい色で、子供のころは炒めてちょっと塩を振ったそれは、時々食卓にもあがり、お弁当にもついていた。
今では着色料の規定が厳しくなったのか、日本に一時帰国してもこの「赤いウィンナー」はスーパーでも見ることはあまりない。今のお母さんたちは、茶色いウィンナーでお弁当に入れるタコさんを作っているのだろうか。

スイスでもよく食べたが、本当のウィーン風ソーセージというと、オレンジがかった茶色の20センチほどもある長いものだ。茹でてから、ドイツ風のマスタードをつけて食べるが、プリプリとして肉の味がする。日本のあのころの赤いウィンナーとは天と地ほども違っていた。わたしがまだ若いころは、そういうドイツ風ソーセージ類は日本の近所のスーパーでは見かけなかったから、そうやって初めてたべたスイスのソーセージはやみつきになるほど美味しかった。

変わって、こちらオーストラリア。タイから引っ越してきた12年前、ソーセージ類とパンのあまりの不味さに辟易した。タイにはドイツ系レストランに併設された肉屋で美味しいソーセージが買えたし、パンもフランス人のパン屋がそのころでさえあったので、白人の多い国でこりゃなんだ、と嘆いた。

しばらくしてオーストリア系とイタリア系の食料品屋があるのを見つけ、狂喜乱舞でハムやソーセージ類を買い漁った。美味しいパン屋も見つけた。それ以来、肉の加工品類もパンもほとんどスーパーで買ったことがない。

さて、オーストラリアにも赤いソーセージはある。というより、10年前はこれしかスーパーでは売っていなかった。日本のウィンナーの3倍ほど長くてホットドッグに使う。どちらかというとスーパーでも1番安いのが、このソーセージだ。肉も何を使っているのかわからない味がする。今では、赤くなくて質の良いソーセージもかなり見られるようになったが、それでもオーストリア系小売店の味には届いていない。

しかし、ふとタコさんをどうしても作りたくなり、こちらでは「フランクフルト・カクテル・ソーセージ」と呼ばれる赤いミニソーセージを買った。近所のスーパーである。
恐る恐る「300グラムください」と頼んだら、ずるずると繋がっているものをビニール袋にぽんと入れ、わたしが「あ、それじゃ絶対多すぎる」と言う間もなく、「380グラムあるけど、いい?」と強引にもう包み始めている。こちらではいつもそうだが、スーパーの量り売りはどうもズサンだ。意識してやっているわけではなく、適当につかむだけだからだ。それでも、客はめんどくさいから「ああ、いいわ」と言ってしまうんだけど。

tako_wiennerそんなふうにして買ってきた赤いウィンナーをタコさんにして炒めてみた。
こちらのソーセージは概して塩分が強いので塩はふらずにそのまま油で炒めただけだ。計算外だったのは、炒めると赤い皮が身から剥がれて丸まって縮むこと。日本のウィンナーとは製造法が違うのかもしれない。
昔のようにケチャップを添えて、もうオトナになったんだからとちょっと辛めマスタードもお隣に。

「ミニソーセージ」と言っても日本のウィンナーに比べたらはるかに大きいので、なんだか大ダコと格闘している気分。そしてもうひとつ計算外だったのは、この安物ソーセージが、その兄弟分の長くて赤いソーセージと同じようにひどく不味いこと。ああ、失敗。

 

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