がびのテラス - 軽妙にして辛辣、独断にして優雅に

母と歩いて、つけ麺を食べに行く

あけまして、おめでとうございます。
日本に一時帰国中です。今年もよろしくお願いします。

実家の母は5年ほど前までは元気に自転車を乗り回していたが、その後膝の故障がひどくなってついに自転車を諦めて高齢者用の手押しカートを使うようになった。その速度が1年に1度会うたびに遅くなっている。今回一緒に外に出ることが多いが、ゆっくりと足を運ぶ小さくなった後ろ姿を見るたびに「年取ったなあ」と思う。

その母はラーメンが大好きだ。妊娠中は今までそんなに好きでもなかったものが突然食べたくてたまらなくなるそうだが、わたしを妊娠中の母が食べ歩いたのがそのラーメンだった。そして生まれた娘が、ラーメンを好きにならないほうがオカシイ。

2年ほど前にできたつけ麺屋はとても近くて、母の速度に合わせて歩いても5分ほどで着く。カウンターしかない小さな店だが、清潔で明るい。食券を買うシステムで、今日はいつものシンプルなものではなく味玉チャーシューつけ麺。母も「チャーシューがもっと食べたい」と言うのでチャーシューつけ麺。ここでサービスをしてくれる中国語なまりの小柄な女性は、とても優しい笑顔で高齢の母をいたわってくれる。

tsukemen

普段は1枚のチャーシューが3枚。厚くて柔らかくて、バンコクやパースで裏が透けて見えるほど巧みに薄く切られたものよりはるかに大きい。味玉は半身のゆで卵2つで黄身がとろりと半熟。ここのスープは甘辛い醤油味、豚骨と魚介のだしが効いている。麺はしこしこと歯ごたえのある太めのもの。

しかし…この大きさのチャーシュー3枚はさすがにツライ。母もわたしもここで初めて麺を残した。隣を見ると、若い男性が普通盛りの麺の三倍はあるかというような大盛りのつけ麺に挑んでいた。後でポスターを見たら、大盛りは440gあると言う。これを平らげられるのは、やっぱり若い男性ぐらいだろうね。ちなみに、普通盛りだろうが大盛りだろうが値段は変わらない。

お腹一杯食べたあとは、ゆっくりと歩く母の速度が気にならない。そして、ゆっくり歩くと周りの景色が目に入る。ピラカンサだ。

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「ここのはキレイだねえ。家にもあるのに、このピラカンサも南天も全部鳥に食べられちゃったんだよ。ここのウチには鳥が来ないんだね。」そう言ってから声を落として「ウチのほうが美味しいんだよ、きっと」とふんと鼻で笑った。

足は悪くなっても、母の楽しい性格は変わらない。

 

5 COMMENTS

yuki

がびさま、あけましておめでとうございます。
今年もブログ、楽しみにしています!

タイは最近本当に過ごしやすいです。実はわたしもヤボ用があり、明日日本へ帰ります。たった四日間の予定ですが、寒いのがダイキライなので全然楽しみではありません(笑)
オーストラリアはbushfireでいたるところ大変そうです。。パースは大丈夫なようですが、気をつけてお過ごしください。
今年も皆様にとってよい年になりますように。

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がび

明けましておめでとうございます。
遅くなりました!すみません!

大雪で成田行きの手段が確保できないため、わたしはまだ東京です。寒い東京で、これから帰るバンコク、そしてその後のパースの暑さに今からドキドキしています。
yukiさんは、もう日本をたってしまったかしら。雪で空港への足は大丈夫でしたか?

今年もよろしくお願いします。

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yuki

はい、まさにその14日の朝の便で帰って来たんですよ~(笑)10時45分発バンコク行きの飛行機は、その後の便が相次いで欠航になるなんて露も思わずほぼ定刻通りに飛び立ちました。わたしの実家は埼玉なんですが、成田まで車で送ってくれた母は、帰りに思わぬ大雪で大変だったそうです。
つるっと転ばぬよう、お気をつけてくださいね。無事バンコクに戻ってこれますように。。

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がび

わたしも実は14日の夕方便だったんです。それを従兄弟が来るというので15日に延期しました。いやー、14日夕方便のままだったら大変なことになりました。何しろ前日はこんなことになるとは夢にも思っていませんでしたから。15日に延期してあったから、雪が降ってから予約変更する時間があったんです。ラッキーと言えば、ラッキー。
今回はそんなわけでかなりバンコク滞在が短くなってしまいましたが、4月か7月に機会がありましたら、是非バンコクでお会いしましょう。

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