がびのテラス - 軽妙にして辛辣、独断にして優雅に

冷蔵庫の残りもので、ペンネ

帰宅する時間はお腹がすいているものだ。
しかしこれにも段階があって、あまりにも疲れているときや、あまりにも遅くなってしまったときは、弁当屋で「照り焼きチキン弁当」などを買って帰るときもある。

遅いと言っても7時までに帰宅できれば、多少余裕をもって十五分ぐらいで何か作ってしまう。この二番目の段階が、要するに「がびのキッチン」なのだ。

で、今日も今日とて帰宅、お腹がすいて冷蔵庫を開ける。「うわ、これ賞味期限が」だの「キュウリ半分どうしろっていうの」だの「弁当の残りのアレがちょこっと」だのが引き出しにゴロゴロ。こういうものがたまるのも、悲しいかな「がびのキッチン」。

塩を入れて湯をたっぷりと沸かしている間に、もうグリルしちゃったので仕方なく冷凍したイタリアンソーセージを解凍して輪切りに。イタリア食品店の自家製を買ったのだから、味はいいはずだ。半分残っていたズッキーニは輪切り。ニンニクは包丁でどかんとつぶしてから、みじん切り。弁当の残りのトマト半分もざく切り。

ペンネを茹でている間に、もっと何かないかなともう一度冷蔵庫を開ける。手のひらの半分ほど残っていたフェタチーズと、サラダ用に買っておいて半分食べただけでシンナリしてしまったルッコラの葉があった。そして、もちろんレモン。

オリーブオイルをたっぷり熱しておいて、ニンニクを加える。香りが出たら、もうこっちのもの。トマトとズッキーニを加えてざざっと炒め、最後にソーセージをどんと入れる。タイミングが大事なので、炒め終わったときにペンネも茹であがっていなければならない。ペンネを加え、ざっと混ぜ、フェタチーズをポロポロと手でくずしてふりかけ、またざっと混ぜ、ルッコラを入れてさっと返すだけ。皿に盛ったら、上からたっぷりとレモン汁をかける。

要するに、ペンネ用の湯を沸かしてからペンネが茹であがるまでの時間にできてしまう一皿だ。
こんなのは料理と言っちゃあいけない。でも、だからと言って美味しくないわけでもない。

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