午後の紅茶に素朴なパイナップルパンを

Twitterでメロンパンのことを呟いていたひとがいて、ふと「パイナップルパン」のことを思い出した。

パースのダウンタウンに入ると、繁華街に中華料理屋がそこかしこと立ち並び、週末ともなると飲茶を愉しむひとたちがレストランの前に列を作る。この辺りは中国人もベトナム人も多く、アジア顔の持ち主たちの数のほうが白人顔よりも多いくらいだ。

そこに、漢字で看板が出ているパン屋がある。奥で忙しくパンを焼いているひとたちも、店で様々なパンを売るひとたちも全て中国人。広東語と英語が交互に飛び交い、カウンターの女の子たちは、他のオーストラリア系パン屋のモタモタとした店員と違い、パンを手早く包みながら暗算で的確に金額を計算する。

このパン屋の「パイナップルパン」は、ほとんどメロンパンと食感が変わらない。皮はカリカリで中はふかふかの、昔ながらの素朴な菓子パンだ。ほんのりとパイナップルの香りがただよい、色はメロンパンより黄色が深い。隣には丸くて艶のよい滑らかなアンパンもあり、上の段にはチーズコーンパンやハムマヨパンなどのおかずパンも並ぶ。

土曜日の2時過ぎにはケーキとクッキーを除いてほとんどが売り切れてしまうので、お昼の飲茶の前に寄ったら、もうすでにたくさんのひとたちでごった返している。全てアジア顔だ。2つしか残っていなかったアンパンをあわてて取り、パイナップルパンも2つ、と思ったら1つしかない。お店のひとに聞いたら、今オーブンに入れたばかりだからあと1時間はダメねえ、とのこと。仕方なく、カスタードクリーム入りのパイナップルパンを1つ。ビニール袋に放り込む普通のパン屋と違って、ここはケーキ用の箱に入れてくれる。
天気のいい昼下がりに、アールグレイの紅茶をていねいに入れてパイナップルパンを添える。学校でそそくさと飲むティーバッグと違い、ティーポットできちんと入れる紅茶はわたしの週末の楽しみのひとつでもある。庭のパティオでパイナップルパンをがぶりとひとくちほおばると、素朴なイーストとパイナップルの香りが混じりあってわたしの鼻をくすぐった。

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