がびのテラス - 軽妙にして辛辣、独断にして優雅に

中華風刺身のチリ醤油ドレッシング

週末ともなれば、ちょいとゆっくりと料理したい。時間をかけてじっくりと焼くラムのローストがメインだが、前菜には何かさっぱりした刺身でも、ということになった。

いつもの中国人の魚屋に行って、「今日は刺身で食べられる魚はどれ?」と聞いてみる。朝入ってその日のうちにさばいた新鮮な魚は、さばいたオジサンが一番よく知っている。ここでは、ほとんど全ての魚がオーストラリア産だ。

「今日薦められるのは、鮭とオレンジ・ラフィー」とすでにビニール袋を手にしたオジサンが重々しく言う。
オレンジ・ラフィーというのは鯛のような体つきだけれど、ものすごい仏頂面の魚だ。結構脂がのっている白身の魚で、煮付けにしても美味しい。ここで売っているのはもちろんもうすでに切り身になっているが、顔が怖すぎて丸のまま買うひとがいないからかもしれない。

うちに帰ってきて、白ワインを飲みながらラムローストをオーブンに放り込み、いつものようにただ醤油とわさびではつまらないな、とふと考える。せっかく何となくアジア風のラムローストなのだから、ついでに前菜も中華風にしてしまおう。

まず薄くスライスしたきゅうり、ニンジン、玉ねぎに塩をふりかけてしばらく置く。しんなりしたら、今度は米酢とほんの少々ナムプラーソースを加え、ラップして15分ぐらい。このままでは味が濃すぎるので、さっと洗い流してピクルスの出来上がり。

その間に、刺身のソースを作る。ショウガ、長ネギ、赤唐辛子を千切りにする。すぐに高温になるピーナッツオイルを熱し、ふつふつしてきたらざっと材料を加える。これは、材料の風味を油に移すため。そこに砂糖少々、醤油、ごま油をたらしてソースの出来上がり。冷めるのを待ちながら、また白ワインをぐびり。

後はピクルスと薄く切った刺身を盛り合わせて、山椒をはらはらと振りかけ、ソースをたらーりとたらす。ちょいと変わった中華風刺身のチリ風味醤油ドレッシングは、きりりと冷えた白ワインによく合う。

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です