がびのテラス - 軽妙にして辛辣、独断にして優雅に

トスカーナ風ローストチキン

トスカーナ風とは一体なんだろう、などと難しく考えちゃあイケマセン。
わたしのマコトシヤカに使う言葉に「プロバンス風」だとか「ナントカ風」「カントカ風」とあるのは、要するにその土地で頻繁に使われるものをマネしているだけのことだ。

今晩の夕食「トスカーナ風」とあるのは、つまりスパイスとハーブをたっぷり使って、おまけにイタリアのバルサミコ酢まで足したから、そう名づけた。いいかげんは、がびの得意とするところ。うん。

用意するのは、いつものように大きなガラス製のボウル。そこにつぶしたニンニクを五かけぐらい、オリーブオイルはどぼりどぼりとそそいでニンニクが浮かぶくらい。そこにレモンの皮一個分と、ジュースもついでにぎゅうと絞り入れる。庭からむしってきたローズマリとタイムもちぎって放り込む。最後にコショウをがりがりと挽いて、バルサミコ酢をたっぷりとそそぐ。これがマリネ液。

ブロイラーは食べない主義なので、「放し飼いの鶏」の産地、西豪州マウント・バーカーの鶏丸一匹使う。名古屋コーチンもそうなのだろうが、餌と運動のせいかこの鶏は全くと言っていいほど臭みがないし、肉も弾力があって美味しい。

今回はたっぷりマリネをしみこませたいので、キッチン鋏を使って適当な大きさに切り分けた。これをボウルでマリネ液にからませて、冷蔵庫で半日ぐらい寝てもらう。時間が許せば一日だっていい。マリネはきちんとしみこんだほうが美味しいからだ。

ところが、庭のバーベキュー台でこの鶏をじゅうじゅうと焼き始めたら、十分ぐらいたって火がいきなり弱くなった。ああ、何ということだ。ガスボンベのガスがなくなっちゃったのだ。舌打ちしても、はじまらない。わざわざガソリンスタンドまで行って新しいボンベと換えてもらう気力もなく、鶏はそのまま温めたオーブンに直行となった。

それでも、焼き上がったチキンはあめ色に輝いているし、たっぷり加えたハーブのおかげでとてもいい香り。これにサラダと茹でたベイビーポテトを加え、日曜日の晩はカウチポテトだ。
さっそくテレビの前に陣取って、一番好きなドラムスティックを手にとったら、膝の上にそっと置かれた猫足が一本。片目のゆきちゃんだ。これを無視していると、段々とその前足からツメが出てきて膝に食い込む。いけない習慣なのだが、わたしだってテレビの前で行儀悪く食べているのだから、オアイコというべきか。

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