がびのテラス - 軽妙にして辛辣、独断にして優雅に

豚肉のステーキと甘いネクタリンのソテー

気温が三十度以下に下がってきた。もうそろそろ秋にはいると言ってもいいのだろうが、二十人以上の子供たちとともに狭い教室に詰め込まれていたら、やっぱりまだまだ暑い。
だが、冷房の効いた八百屋に行くと、そこはもう「秋」。色々な果物が出てきた。ストーンフルーツと呼ばれる、デカイ種を持つ果物はわたしの好物でもある。桃にネクタリン、プラムにアンズ。葡萄も段々と棚に並ぶようになった。もはや、天国だ。

昨日も、買い物に行ったスーパーで、そんなネクタリンを幾つか籠に放り込んだ。冷蔵庫で保存し、今日の休み時間にひとつ持って行ってガブリとやったら、ああ何ということだろう。いつもならプリプリの皮の下には柔らかくジューシィな果肉が待っているべきなのに、まるで歯ざわりはリンゴだ。そして果汁なんぞ固すぎて出てこない。外側はオレンジ色のベースに鮮やかな赤が刷かれているというのに、中味は似ても似つかぬものだ。大失敗。

捨てるのも悔しいので、今日はそれを使って豚肉の晩ごはんにする。

いつもはリンゴを使うのだが、これだって固さと歯ざわりは同じだ。
バターは使わない。フライパンに油をごく薄く引き、スライスしたネクタリンにシナモン、クーミン、そして砂糖を軽く振りかけて裏表が透き通ってくるまで焼く。取り出してから、また油(わたしはオリーブオイルを使う)を足して、今度は常備しているデュカを振りかけた豚肉のステーキを焼く。これだけだ。
焼いている間に茹でたアスパラガスを添えて、記念撮影。

昔から果物は好きだったが、何年か前に果物をサラダや豚肉料理に使うことを覚え、それからはヤミツキなのだ。豚肉は臭みのある肉だが、果物に漬け込むと臭みがとれて肉も柔らかくなる。今回は漬けこんではいないが、一緒に食べるネクタリンの柔らかさと中近東の香りは大当たり。
生で食べたときにはあんなに失望した固いネクタリンに、ちょっと手を加えただけで「ザマミロ」という気分になるのは、わたしがやっぱり単純だからだね。

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