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シシリア風、海老とほうれん草のスパゲッティ

南イタリアは、悲しいかな、北に比べると生活水準が昔も今も低い。だから、十九世紀の終わりから二十世紀の初めに夢を持ってアメリカに渡ったのは、大半が南イタリアからの人々だった。

そして、ブーツの形をしたイタリアの爪先にあるシシリア島は、その南イタリアの中でも特に貧困層の多い地域だ。マフィアを生み出したことでも有名なこの地域は、嘘かマコトか、チーズすら買えないほどの貧乏な生活の中で、代用品としてパンくずを入れることを発明したという。なるほど、見た目には「チーズを入れたような」雰囲気かもしれない。
かくして、料理の世界では「シシリア風」と名がつくと、スープだろうがパスタだろうが、ちぎったパンがはいるようになったというわけ。

今晩は、このシシリア風のスパゲッティ・アルオーリオ。トマトソースを使わない、ニンニクオイルのパスタだ。大海老のプリプリと、ついでにパルミジャーノチーズ、グラナ・パダーノ(Grana Padano)のかけらも買ったので、「大貧民」スパゲッティじゃなくなってしまったが仕方がない。
湯を沸かしている間に、ニンニクと赤唐辛子を刻み、ほうれん草とパセリを洗ってざく切りにする。レモンの皮を削って刻む。レモン汁も絞っておく。パンはトースターでカリカリに焼き、あとはブレンダーで一気にざっと砕く。パン粉じゃないのだから、あまり細かくしない。
スパゲッティは六分ほどでゆであがるものだから、それと同時に出来上がるくらいに気をつけないと、ね。だから、ここからはフライパンがふたつ登場。

ひとつめのフライパンには、オリーブオイルで塩コショウした海老をさっと焼く。

ふたつめのフライパンには、これまたオリーブオイルをたっぷりいれてニンニクと赤唐辛子を放りこむ。香りが出たら、ほうれん草とパセリだ。すぐにしなってくるから、塩コショウしてゆであがったスパゲッティをすばやく混ぜ合わせ、レモン汁をざっとかけ、最後に砕いたトーストをばらばらとかけて、出来上がり。

スパゲッティを盛って、海老をちょんとテッペンに乗せ、パルミジャーノをそろりそろりと削る。「さて」と立ち上がって海老の下ごしらえから始め、テーブルでフォークを口に運ぶまで、実は三十分以下の料理だ。

パルメザンチーズは日本のスーパーでも手にはいるが、イチバンよく見かけるのはあの円筒形の容器に入った粉チーズだ。あれは、いただけない。香りも味も全く違う。まぶしただけで、トマトソースさえどろどろと濁るシロモノだ。
紙にしっかりと包んで冷蔵庫にしまっておけばかなり持つので、わたしは必ずイタリア食品店で本物をひとかけら買う。パスタやサラダ、そしてオーブン料理などにも使えるし、何よりピーラーでそうっと薄く切って加えるだけで、味に深みが出る。お試しを。

9件のコメント

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    ホント最近暑いですねぇ。でも週半ばには雨のお天気になりそうですよ。
    あ、自称「食にはこだわる」私、生まれて以来チーズは円筒形のパルメザンチーズでした。反省っ。
    私が1つだけ知っているシシリア風パスタレシピは「カリフラワーとサフランのパスタ」です。松の実・アンチョビー・レーズン・トマトペーストが入る変わり種ですがご存知でしょうか(おっと、野菜はカリフラワーだけ…シシリア風恐るべし)。
    それにしても上のパスタ美味しそうですね。近いうちに作ってみようと思います。ちゃんとホンモノのチーズも買って(笑)

  2. SECRET: 0
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    ハトコさん、
    そのカリフラワーとサフランのパスタ、美味しそうですね。今度、レシピを教えてください。
    今日はホントに暑くて、エアコンなしのオフィスで死んでいました。もちろん髪なんか湯上りスタイルです。朝だけですわ、サラサラは。湿気ですぐボサボサになります。(笑)はやく涼しくならないかなあ。

  3. SECRET: 0
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    「シシリア風」って、聞いただけで、わけも分からず美味しそう!な気がしていたけれど、
    食に歴史あり・・ですね。 奥深〜〜っ。
    レモンとガーリックとチーズの組み合わせ、美味しそう。試してみます。
    ハトコさん(:初めまして)のレーズン入りのパスタも
    アンチョビーの塩気とレーズンの甘みがあいまって、面白そう。
    私もレシピ知りたいです。
    サフラン・・って贅沢な響きがするけど、シシリアではそうじゃないのかしら?
    カリフラワーは、ポタージュばかり作ってたので、パスタって、興味津々です。

  4. SECRET: 0
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    がびさん、i-iさん、こんにちは。
    シシリアンカリフラワーパスタのレシピは;
    http://cookpad.com/mykitchen/recipe/412902/
    で見られますヨ。
    私の写真はイマイチですが(^^;)
    どうもこれ、定番のパスタ?みたいで、後日テイラー・フローレンスというアメリカ人料理研究家のレシピ本にも載っていました。こちらにはパン粉が入っていますが(しかもジャパニーズパン粉、と指定つき)トマトソースはなしです。
    うちのお隣さんはシシリア人の方なので、聞いてみることにします。
    あれからホンモノのパルミジャーノチーズを購入しました。高かったけど味が断然違いますね!!もう円筒形には戻れません(笑)
    思ったのですが、パルミジャーノ・レッジャーノとグラナ・パダーノには違いがありますか?

  5. SECRET: 0
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    ハトコさん、クックパッドでレシピをアップしていたんですね。。。知らなかった。わたしもIDを持っていますが、5個で脱落しました。手分量、目分量なんで、材料の量を記すのがめんどくさくなっちゃったというのが理由です。
    他にも美味しそうなレシピを持っていらっしゃるので、今度試してみます。ありがとうございました!
    さて、パルミジャーノ・レッジャーノとグラナ・パダーノですが、これは作っている地域の違いです。レッジャーノのほうが確か高いと思います、規格が厳しいから。
    でも、本当に味が全然違うでしょ? 料理ってのは、材料の良さが決め手ですね。わたしの腕じゃないことは確かです。

  6. SECRET: 0
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    こんにちは。
    ガビさんもIDお持ちだったんですかー! 確かにおっしゃる意味わかります。今でこそ慣れましたが、目分量の分量を考えるのも、アイテムや手順をいちいち入力するのも、正直面倒なんですよね。ツワモノな方だとウン百とレシピをアップされているので、ただ感嘆するばかりです。
    実はシシリアの方に上のカリフラワーパスタを聞いてみましたが「知らないねぇ」との返事。「あ、でも、シシリア島も小さくないし、異国の文化の影響を受けているから、そのパスタもありそうね」とのことでした。
    彼女いわく、シシリアンといえば第一に挙がるのが、やはりトマトとナスのパスタ。コレは90年代初頭にイタリアン本がたくさん出版されはじめたころ、ミートソースとナポリタンしか知らなかった私が初めて作った思い出のパスタでした〜。
    数日前、パルミジャーノ・レッジャーノとスペックというポーリッシュベーコンでカルボナーラを作ってみました。
    自分でいうのもなんですが、あまりのうまさに卒倒しかかりました。何しろ今まで缶のパルメザンとフツーのハムで作っていたのですから。素材でここまで味が変わるなんて、ショックでした。

  7. SECRET: 0
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    ハトコさん、こんばんは。
    おお、どこでシュペックを手にいれましたか?これはホントはドイツ発祥のベーコンですね。Speckと書きますが発音はシュペックでした。固いので薄くスライスして、カリカリとコショウを挽いてからビールのおつまみにもいいです。ううう、よだれが。。。
    シュペックは乾燥させてないものは煮込みに使います。これもコトコトと煮て、ほろほろになったところを煮込んだ野菜や豆と一緒に食べます。ううう、よだれが。。。
    わたしはスイスでこういう素朴な料理がダイスキでした。もちろん、あちらのカルボナーラはこのシュペックを使いますが、知り合いのイタリア人のおばちゃんはやっぱりパンチェッタを使っていました。燻していない分だけ、味が素直です。ううう、よだれが。。。
    お腹すいたので、晩ごはんつくってきます。(笑)ただいま、六時半。

  8. SECRET: 0
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    わぁ、スペック(シュペック)ご存知でしたか。味が全然違いますよね、コレ。
    このベーコンをわけてくれた友達によると、彼は散々探し回って、ようやくギラウィーンショッピングセンターの肉屋で発見したそうです。そこまでいつも車を飛ばして買いに行っているのだから、頭が下がります。
    その人はフツーのオージーですが、ポーランド系の人に聞いたらだいたい「お気に入りの肉屋」がありますよね。BBQなどでそういうところから買ってきたソーセージを食べると目からウロコが出ます。
    私がもらったのはすでにスライスしてあって、半生といった感じのシュペックでしたが、塊を煮込んで豆や野菜…って聞いただけで私もよだれが出ます。
    そんな素材から美味しいお料理を食べて育ったがびさんが羨ましいです。

  9. SECRET: 0
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    ハトコさん、レシピをありがとうございました。
    気づくのが遅くなってごめんなさい。
    早速挑戦してみます。
    で、新しいコメント読みながら、なんのスペック?・・と思っていたら、
    とーーっても美味しそうな話。 
    (理解まで、0.9秒ほど時間がかかり、自分の脳内スペックの血流の悪さを感じました)
    がびさんとハトコさんのやり取りを読んでるだけで涎が出そう。
    美味しい文字って確かにあるんですね。

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