がびのテラス - 軽妙にして辛辣、独断にして優雅に

ローズマリと生ハムのパスタ

日曜日だと言うのに、散歩にも出かけられない。
風がかなり強くて、時々にわか雨さえざざっと来る。庭に置いてあったプラスチックのジョウロが舞い上がったらしく、朝出てみたら池に浮かんでいた。変な天気だ。雲の間から陽がさしていたと思ったら、そのまままた雨がぱらぱらと顔にかかる。
ご存じのように、地球の反対側のオーストラリアは今が春の始まりなのだ。

「でも、いい天気じゃーん。アソビに行こうよう」
能天気の友達が電話をかけてくるが、たまっている仕事もあるし、とてもそんな気になれない。このひとは、わたしがBurswoodの近くに住んでいるのをいいことに、週末ともなると「カジノに行って、儲けて来ようよう」だの「ホテルのパブに行って、飲もうよう」だの、わたしが断るのを承知していながら、時々電話をかけてくる。
実は、大好きな友達なんだけどね。

「じゃ、スパゲティーでも作るから、昼メシ食べにおいでよ」
「わーい」


結局、ひとりでサンドイッチでも作って、手早く済ませちゃうわけには行かなくなった。手のこんだものを作るわけではないが、まあ一応火を使う。
ズンドウ鍋にたっぷり湯を沸かして、塩をひとつまみ。沸かしている間に、冷蔵庫に残っていた生ハムの残りを刻み、にんにくをつぶしてスライス、庭からむしってきたローズマリをざっくりと切る。今回は葉の部分だけ。茎の部分はちょいと味と香りが濃すぎるので、さっと炒めたいときには使わない。苦くなるほど、スパイスを使っちゃあいけないんだ。

今日のパスタは、トリポリーナ・ルンガと呼ばれる長いリボン状のパスタ。普通のタリアテーレより幅がある。アルデンテになるまで、六分。

ゆでている間に、大きなフライパンにオリーブオイルをたっぷり入れ、生ハムをかりかりになるまで炒めてから、ローズマリとにんにくを合わせ、2−3分。そこに、本当はダイエット中なので「目を合わせてもイケナイ」ような材料を使う。
生クリームだ。これをたっぷりたらして、ちょいと水分を飛ばす。
少しゆで汁をからませているトリポリーナをそこにいれて、すばやく混ぜ合わせる。塩コショウして、おしまい。

サラダを添えたら、シンプルだけれど日曜日のランチにぴったりなものが出来上がった。

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