がびのテラス - 軽妙にして辛辣、独断にして優雅に

簡単プロバンス風スープ・ド・ピストゥ

お寒うございます。
地球の反対側にあるオーストラリアは、このところ朝晩冷え込むことが多くなり、パース市内は朝なんぞ五−六℃しかない。寒がりのわたしはさっそく電気毛布を出した。昼間はそれでも二十℃前後まで上がるのだが、日が落ちればまた寒くなる。
日本はこれから暑くなるというのに、ねえ。

寒くなるにつれて、雨も多くなる。今日は、一日中何度もざあっと降り出しては止み、降り出しては止み、おかげでバッチイ車を洗いに行く気が失せた。
こちらで「雨期」と言うと冬のことだから、日本の雨期は蒸し暑くて困ると言っても、あまりわかってもらえないことが多い。

さて、寒い時には台所で火を使うに限る。うちは天井が高く、オープンキッチン、オープンリビングなので、ガスヒーターをがんがんつけていても、どうも足元が冷える。そんなときは分厚い靴下をはいて、料理。
土曜日のうちに、そのつもりで鶏ガラを買っておいたので、夕方から野菜くずとともにコトコトと煮ていた。余った鶏ガラスープストックは、脂をすくいとってから煮詰めて製氷皿で冷凍するつもりだ。こうしておくと、またスープが食べたいときにすぐに出来る。横着者の知恵なのだ。

それもないときは、もちろん市販のスープストックを使うが。だから、このスープは実は三十分もしないうちにできてしまう。
野菜は何でもいいのだが、今日はとりあえずニンジン、セロリ、ズッキーニ、さやインゲンをサイコロに切り、マッシュルームを厚くスライスし、大鍋にオリーブオイルを熱して炒める。少しチキンスープを入れて蓋をして、水気がほとんど飛ぶまで。蓋を開けて、チキンスープをざんぶと入れ、タイムをちぎってパラパラ、ベイリーフを2−3枚加える。そのまま強火で煮立て、あとは弱火にしてコトコトと十五分ほど。野菜が柔らかくなるまで、ということだ。

煮ている間に、ピストゥを作る。イタリアに行くとペストになるが、今日はプロバンス風なので、Pistouだ。庭からむしってきたバジリコを大盛り二つかみほど。愛用の薬味用石すり鉢(モルター)に入れ、ニンニクを2かけ、がんがんとペースト状になるまで叩く。オリーブオイルをたらーりたらり。塩コショウしてまた叩き、最後にパルメザンチーズをぱらぱらと入れて、パインナッツを振ってオシマイ。
ほんとのピストゥはパインナッツなんか入っていないが、これはわたしの自己流。パインナッツとバジリコはよく合うのだ。

別に買っておいた鶏の胸肉とをひとくちサイズに切り、鍋へ。トマトと入れるのもこのときだ。最初から煮ちゃったらトマトスープになってしまう。
忘れていたが、チキンとトマトを入れる前に、容器ふたつにとって冷凍保存(冷めてからだ、もちろん)。こうしておくと、また食べたいときにトマトとチキンを足せばいいだけだ。これまた、横着者の知恵。

寒い晩は、こうしてふうふうと言いながらスープを食べる。鶏肉をほんのちょっとちぎって、猫のゆきちゃんに。こういうことをするから、彼女はわたしが食事を始めると、膝に乗って金輪際動こうとしないのだ。いけないなあ。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です