がびのテラス - 軽妙にして辛辣、独断にして優雅に

昔懐かし、昭和の味のハンバーグ

ちょっとここ二日で読まなきゃならないものがあって、外出していない。
いつものように、なんかないかなあと冷凍庫をゴソゴソ探したら、買ったまま冷凍しておいた牛ひき肉が見つかった。まだ午前中だったので、ぽんとカウンタの上に置いて解凍。ついでに冷凍庫からパンのスライスもひとつ出す。

実はずううっと食べたかったのだ、ハンバーグが。

何日か前に、ちょうどランチ時でお腹がすいたため、ついついショッピングセンターのセルフサービスでハンバーガーなんぞ頼んでしまったためだ。お腹がすいていたとはいえ、デカくてマズイ。パンはあたかもスポンジでできているかのごとくふわふわで、ハンバーグの汁がにじみでるそばからぐしゃぐしゃとくずれる。肉も固くて油だらけのひき肉だ。半分食べて、一応胃がなんとかおさまると今度はハラがたってきた。
金輪際こういう場所では食べるまい、といつも思うのだが、ショッピングついでについつい手を出して非常に後悔する。

わたしの言う「ハンバーグ」は、もちろん子供のころから食べていた「おふくろの味」というヤツだ。ドミグラスソースを背中にのっけて鉄板でじゅうじゅうと音をたてるヤツを、飛び散る湯気と油を浴びながらフォークとナイフで食べる、というシロモノではない。
作り方は、母がもう何十年も作っていたのとほとんど同じ。
まず、玉ねぎのミジン切りをオリーブオイルでじっくりとあめ色になるまで炒める。母はサラダオイルを使っていたけれど、わたしは健康に気を使ってオリーブオイルで。
玉ねぎを冷ましている間に、大きなガラスボウルにひき肉をどさりと入れ、タマゴをひとつ割っていれ、カウンタの上でいい具合に固くなっていたパンのキレッパシをがりがりと削る。要するに、即席パン粉だ。そこに牛乳を少々。本当は、パン粉を牛乳にひたしてから、などと確かどこかのレシピに書いてあったような記憶もあるが、混ざってしまえば同じと思って無視する。
ニンジンもついでに削って入れてしまう。母は丁寧にミジン切りにして炒めていたようだが、玉ねぎを切って盛大に泣いたらめんどくさくなった。
塩・こしょうしてから、これを手でこねる。ねばりがでたら玉ねぎを加え、ざっと混ぜてタネの出来上がり。
これをボール上にし、両手でキャッチボールをして中の空気を抜く。小判のカタチに整えて真ん中をちょいとへこませ、小麦粉をぱたぱたとはたいたら、出来た分から次々と熱したフライパンへ。

ここからが大事なのだが、片面が焼けたら裏返して中火にし、今度は裏をじっくりと焼く。こうすると、小麦粉でシールしているのでふっくらと仕上がるのだ。ぷうっとふくれて、ちょいとつつくと透明な汁がでるようになったら出来上がりだ。この汁が、つつかないでもにじみでるまで待っちゃいけない。汁がなくなったら、ぱさぱさと固くなってしまう。

こうして作ったハンバーグにそえるのは、もちろん笑っちゃうほど簡単な「とんかつソースとケチャップのミックス」だ。これがなきゃあ、素朴な昭和の味はでない。
箸ですっと切ると、肉汁が中からあふれ出す。これをほうばって汁をすする。いやほんと、懐かしくってしかも美味しい。

 

2 COMMENTS

昭和の庶民

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はじめまして。
ハンバーグやエビフライや唐揚って70年代の「おふくろの味」ですよね。

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まゆ坊

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急激に懐かしさがこみあげました。
写真のハンバーグ、肉汁をたっぷり含んだ ふっくら感がたまらんです。
人参嫌いの私が食べられるように・・猛烈微塵切りにした人参を炒めて、ハンバーグに入れていた母の後ろ姿を思い出しました。
追伸:mixi始めました。ハンドルネームは、i-i (←あいあい)です。ボチボチの日記更新ですが、よかったら遊びに来てください。

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