がびのテラス - 軽妙にして辛辣、独断にして優雅に

テラスのタイルが…飛んだ

乾季に入っているバンコクは、ことのほか快適だ。
朝の気温は22度前後、午後から上がっても27度止まりで、エアコンなしの朝は清々しい。ところが、普段は湿度たっぷりのバンコクは、その「寒さ」にどうも完全には適応していないようだ。そんな呟きを裏づけるような出来事が起こった。

深夜、寝室のすぐ外で何かを引っ掻くような、バリバリという音がする。眠りの浅いわたしはすぐに飛び起きて窓を開けたが、何も見えない。5分ほどしてから、同じ音がしてまた飛び起きた。一体、何だろう。
結局そのまままた眠りに落ちてしまい、朝起きたらそんなことはすっかり忘れていた。

そして、朝9時ごろのこと。
リビングで珈琲を飲んでいたら、「バン」という小さな爆発音がテラスに響き渡り、椅子から飛び上がった。急いで外を見ると、大きなテラスの「日の当たっている部分のタイル」が2つに避けて横たわっている。


まるでタイルの下で何か怪獣が暴れまわっちゃったようなふうだ。
なんということだ。2枚目の写真では、すでに1列のタイルがすべて盛り上がってしまっているのがわかる。


驚いて、下の管理事務所に降りていった。
「いや、8階だけじゃないみたいです」と、マネージャーが情けなさそうに言う。理由は?と訊いても、首を横にふるだけだ。

3階上に住んでいるフランス人も管理事務所まで降りてきた。事務のタイ人たちの英語は片言なので、手と足のジェスチャーも使わないと通じないからだ。
彼の推理するには、「たぶんタイルの下のセメントが夜中の寒さのせいで縮んだせいじゃないかな。そして、朝になり強い太陽の日差しがあたってまた膨張した。そのセメントの動きで、上にあるタイルが行き場所を失って持ち上がってしまったんじゃないの?」
えー、そんなバカな。

それにしても、このマンションにはすでに丸14年住んでいる。築20年だから、マンション乱建設の進むバンコクでは古いほうだ。その長い間、こんな恐ろしい爆発音を自分ちのテラスで聞いたのは初めてだ。

あーあ、こないだはバスルームの給油ボイラーが動かなくなって新しくしたばかりなのに、今度はテラスの修復か。しかし、この持ち上がってしまったタイルをどうやって平らにするんだろう。

 

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