カッコいい熟年バイク野郎たち

週末になってやっと涼しくなった。

この猛暑はパースだけではなくオーストラリア全体を覆っているらしく、「新聞で読んだけれど、なんだかものすごく暑いんだってね」と、バンコクの友達がお見舞いメイルを送ってきた。
結 局ここ1週間というもの、ほとんど授業にならない。欠席も多く、出てきている子供たちも30度後半の教室では座っているのがやっとである。それでも立って 授業をしているカワイソウなセンセイたちは、だんだんと軽装になり、最後はほとんどTシャツ、ショーツにサンダルなんぞという、普段では見られないカッコ になってしまった。
わたしも、髪はギリギリと結んでバレッタで上げるという「湯上りアタマ」に、袖なしブラウスかまたはコットンワンピースでヒラヒラと通勤していた。

そして滝のように流れる汗は、もうハンカチなどという優雅なシロモノでは間に合わず、タオルで拭く。廊下ですれ違うセンセイたちも、カッコを気にするわけにもいかず、まるで庭仕事のついでのようにタオルを首に巻いていたりする。

そ んな中、エアコンのある場所はがんがんと一日中つけているし、天井のファンは回りっ放しである。そして電力消費量がいきなり上がったパースでは停電が相次 ぎ、官公庁、公共の建物でのエアコンが、週の初めにいきなり禁止となった。やぶった場所は、罰金150万円とのお達し。39度の中でエアコン禁止、ファン もあまり回さないようになどという、まるで地獄のようなお達しのせいで、月曜日は倒れる子供がふたり。
これはあんまりだ、と暴動でもおきそうな雰囲気の中で、あわてた州政府が「学校と病院は除く」という禁止解除を、午後になってからラジオで流した。

いやはや、大変な騒ぎの1週間であった。
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今日は涼しくなったのを幸いと、久しぶりにファーマーズマーケットに野菜と果物の買出しに出かけた。
真っ青な空に、湿度の抜けた空気はすがすがしい。車にはエアコンもついているし、こんな日のドライブは快適である。

市場に向かうまっすぐな道で信号待ちをしていると、ドドドドゴゴゴゴブワンブワンというものすごい低音の響きが近づいてきた。バックミラーをのぞくと、おお黒い革ジャンにハーレーやら何やらのバイク集団である。
ところがもう少し近づいてきたのを見ると、皆50代から60代のひとたちだ。ほとんどが白髪の混じった髪をヘルメットに押し込み、腹もつきでている。
わたしの友達もはいっているが、こちらオーストラリアには熟年ツーリングクラブがかなり力を持っているのだ。そんじょそこらの若者が買えるはずもないピカピカのハーレーに乗り、革ジャンも高価なものを着る。

そう言えば、バンコクでは金持ちのボンボンが親の金で買ってもらったBMWやらフェラーリを乗り回しているが、こちらではそういう車に乗っているのはほとんどが50代からである。自分で稼いで、自分で買う。だから、高級車に乗るのは自分自身のステータスなのだ。

き ちんとしたツーリングだから、腹の底に響くエンジンの音以外は皆おとなしく交通規則にも従う。若いということがステータスにならない国で、「ふん、悔し かったら自分で買ってみな」と言わんばかりの熟年パワーは、なぜか拍手を送りたくなるくらい堂々としていた。カッコいいぜ、オジサン。

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