がびのテラス - 軽妙にして辛辣、独断にして優雅に

ギックリ腰で「術後病猫」の世話をする悲哀

ゆきちゃんはマッシロなので、医者からも猫ホテルからも「直射日光にあてちゃダメ」と言われ続けてきた。どちらにしても、わたしは外で猫を飼うつもりはなかったし、彼女もそれほど外に出たがらなかった。時々庭に出すこともあったが、朝の弱い光のときだけ。それも、三十分以上太陽のもとにいたことはない。

ああ、それなのに。右目の目頭に血のように赤いイボができたのは、去年のことだ。医者に連れて行ったら「皮膚がんかもしれない」とのこと。さっそく除去してもらって、ついでに本当に皮膚がんかどうかも検査してもらった。結果は、良性腫瘍。

ほっとしていたら一年後、それもわたしがいないときに猫ホテルで、出た。今回日本に行っていたときのことだ。
「血豆のようなものが目頭にあるなあ、と思っていたんだけど、何日か前にいきなり顔が血だらけになっていたから、もう死ぬほどビックリしたよ」
血がたまっていたところが裂けたらしい。赤い点のようなものはいつもあったが、そこが腫れ始めたらはやい。

とにかく次の日、急いで医者に連れて行ったらまた同じ腫瘍だった。
「取ってもまた出てきますねえ、こういうのは」
そして、また手術だ。今週月曜日の晩に預けて、火曜日学校の帰りに受け取りに行った。いや、ものすごいご面相になっていて、死ぬほどびっくりした。何しろ、右目の周りはきれいに丸く剃られている。そして、目頭はもちろん縫ってあるし、目なんか二倍に腫れ上がっちゃっている。血はまだ点々とついていて、麻酔が切れてあまり時間がたっていないのか、ふらふらしている。
「先生っ。ものすごい顔なんですけど、大丈夫なんですかっ」
「んん?そお?手術は成功してるし、きちんと縫ってあるよ。感心するくらい、きれいに成功」
そういう問題じゃないだろう。。。

その後、重いゆきちゃんのケージを苦労して運んだが、うちにたどりついたらわたしはほとんど動けなくなった。わたしのギックリ腰は月曜日と火曜日の仕事で再発してしまったのだった。
だが、ゆきちゃんに目薬もささなきゃならないし、餌も少しやらなきゃならない。それなのに、かがめば激痛が走り、息ができなくなる。長い時間をかけてやっとそれらのことをやりとげたが、痛くて汗びっしょり、さすがに泣きたくなった。

次の日、やっと車を運転して今度は自分の医者に行って、そしてクソミソに怒られた。「自分を過信して動きすぎましたね」とのこと。それ以来二日間(そして、たぶんもう三日ほど)「ギックリ腰病人」と「術後の病猫」は、キッチンのカウンターにたくさんの薬を並べて、仲よくうちにこもって安静にしている。やれやれ。

2 COMMENTS

MAO

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がびさんの文章力でぎっくり腰の様子を読むとその辛さが手に取るように分かりますな。ぼくの背骨も昨年暮れから急に回復のスピードが上がったようで1月の検査で室内ではコルセットを外してもよいといわれた。
それで恐る恐る外して暮らしていたのですが、この数日、夕方から背骨周りに疲れが溜まり、どうも具合がよくない。椅子に座ってPCくらいのことなんですけど、意識しないでも微妙にひねったり、負担をかけてしまったようです。それで昨日からまたコルセットをつけたら多少不自由だけど、背筋はピンと伸びて具合がいい。おまけにウェストを締めるから、その効果もある。もうこうなったらコルセット生活を通そうかと思っております。
お大事に!

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がび

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わたしは暇にまかせて、ストレッチばかりしています。コンピューターに向かう時間は十分以内。これじゃあ、ほとんど何もできません。それ以上続けて座っていると、立てなくなっちゃうので、仕方がありません。
ストレッチすると三十分ぐらいはラクになるんですけれどねえ。
コルセットってえのもいいですね。腰は大事です、ほんと。一度悪くすると、どれだけ使っていたかがわかります。
以前ギックリ腰ばかりやっていた友達が、「ジムに通いだしたら、それから出てないよ」というので、今度こそジムにでも行かねばならないようです。直ってからですが、もちろん。
MAOさんも、お大事に!

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