がびのテラス - 軽妙にして辛辣、独断にして優雅に

書店でガックリ、逢瀬はニヤニヤ

書店でパラパラと雑誌をめくっていたら、心理テストに目が止まった。どうということのない内容、質問があってどの答えを選んだかによってそのひとの診断を下してくれるというテストだ。診断を読んでいて、愕然とした。
「あなたは女としての価値に自信たっぷりだが、しとやかに振舞ったほうが男性に対してはモアベター。」
なんだ、この日本語は。
質 問も「デパートで働いている夢を見たが、どこの売り場だったか?」と聞かれて「ブランド売り場」と答えたひとがなぜ「女としての価値に自信たっぷり」なの かは意味不明だが、それにしても「モアベター」ってのはカタカナ英語にしてもひどい。すでに日本語化して、普通に使われているのだろうか。

ベターの前にモアがつかないのは、中学生だって知っているではないか。黒人米語会話では耳にすることもあるが、こんなところで使う言葉ではないだろう。
それを平気で活字にするひとたちが、ちまたの流行語を煽るファッション雑誌の編集者だとすると、日本語が乱れるのも至極当前のように思える。

気をとりなおして文庫売り場をただよっていたら、今度は「弾丸坊主」という題名に目を丸くしてしまう。
表 紙からすると、わたしが秋にパースからバンコクへの機内で見た”Bulletproof Monk”の小説化らしい。弾丸が当たっても死なない(と言うより弾丸が当たらない)中国僧のアメリカでのカンフーアクション、いわば防弾ガラスならぬ 「防弾坊主」の痛快活劇なのだ。映画館での邦題は「バレットモンク」だ。

「弾丸坊主」と「防弾坊主」では、月とスッポンほどの違いがあると思うのだが、Proofがあってもなくても日本では関係ないらしい。しかし、どうせなら「バレットプルーフモンク」と、全てカタカナにしてくれないかなあ。
「愛と悲しみのナントヤラ」がこのごろ少なくなったと思ったら、今度は原題を勝手に省略して意味不明にするとは、なんて器用なひとたちなんだろう。
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実は今日、巣鴨ばーちゃん銀座の老舗鰻屋というかなり渋い場所で、「黒ひょう亭」ホームページのおかみロシータさんと初めてお会いした。
「パタリロに似ています」と言うので、もう強烈なイメージが会う前からインプットされてしまったのだが、お会いしたら爽やかで親しみやすい笑顔のほっそりとした女性だった。そりゃあ、いきなり三頭身が出てくるわけないわなあ。すんません。

信念を持ち、目標に向かって着実に前進しようとするひとを見ると、わたしは嬉しくなってしまう。ロシータさんは、そんなひとだった。
だからその後寄った書店でプンプンしても、彼女との楽しい時間を思い出しては一人ニヤニヤしてしまったのは言うまでもない。

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