がびのテラス - 軽妙にして辛辣、独断にして優雅に

極上アイスクリームで癒す

「まったく、今日の9年生はどうしちゃったよっ」と吠えながらオフィスに戻ってきたのは、同僚のフランス語教師。わたしもそう思っていたから、「そう だっ。落ち着きがないにも限度があるっ」と吠え返した。子供たちの集中力にも波があるが、特にそれが落ち込むのが週のマンナカの水曜日、それも午前中の休 み時間にちょいとオヤツなんぞ食べたあとの3時間目はひどい。血糖値がぐんと上がって、ついでに「熱き血潮」が体を駆け巡りだすのかもしれない。おしゃべ りの頻度も増し、授業なんぞそっちのけである。そういうときのわたしはいきなり声が大きく早口になり、忙しく動き回り、生徒をどんどん当ててどんどん答え させ、「おしゃべりしていたら、アンタ当てられて恥かいても知らんよ」とばかりに加速する。要するに彼らの活動速度に合わせて授業を進め、おしゃべりする 暇を与えないわけだ。これをやると、単純な彼らはあっと言う間に「巻き込まれる」。そしてその代わり、若くない肉体を自ら酷使したカワイソウなセンセイ は、授業の後どっと疲れるのだ。

そういう水曜日は、放課後にこっそり甘いものを食べに行くにかぎる。カラッと晴れた空だしちょうどドライ ブ日和だねえ、などと独り言い訳を呟きながら車を走らせてジャンクションに向かう。ここはわたしがミッドランドの市場に行くときによく寄る、パースで一番 美味しいアイスクリームの店だ。ここで食べたらチェーンのアイスクリーム屋など金輪際行くものか、と思うようになる。今日はイングリッシュトフィーにココ ナッツドリームのダブル。
西日を避けて座った外の椅子でアイスクリームをなめていたら、なんだ後二日で週末じゃん、と気分も浮かれてくる。わたしだって単純なのだ。

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