がびのテラス - 軽妙にして辛辣、独断にして優雅に

平成生まれとニジマスの燻製

「日本的に考えると、センセイの受け持ちクラスの子供たちって皆平成生まれなんですよねえ。」日本から来ている日本語ティーチングアシスタント(略して TA)に言われたとき、ガクゼンとした。いまだに「平成」の何年目なのかじっくり考えないと浮かんでこないわたしとしては、ジワジワと眼の周りの皺が増え る思いである。

あの昭和から平成に変わった1月の日、スイスからの里帰りで昭和最後の正月を過ごしたあと、わたしは池袋のサンシャインホ テルに向かっていた。成田行きのリムジンバスに乗るためである。垂れ幕の全くない妙にすっきりとしたデパートの群れと、パチンコ屋の音楽の流れないしんと 静かな繁華街に、普通ではない雰囲気が感じられた。あのときからもう15年もたってしまったのだ。
そのときまだ地球上に影も形もなかった子供たちが、今「平成生まれ」として教室の中で騒いでいる。
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こ のところ大粒の生牡蠣を買うのがなかば習慣化してしまっているが、今日行きつけの魚屋に行くと、そのとなりに燻した黄金色に輝く魚が並んでいた。新鮮なニ ジマスの燻製である。味見をしたら、美味しい。スモークサーモンより身がしまっていて、マス独特の生臭さも燻製にしてあるため気にならない。生牡蠣ととも にさっそく1匹買い求める。このままタマネギスライスとおかかなんかで、しょう油をちょっとかけ、ほかほかご飯でかきこむのもいい。サンドイッチにはさん で、レモンスライスとケイパーを乗せてもいい。かなり大きいので、残ったらチャーハンの具にしても美味しそうだ。
ニジマスの匂いに誘われたのか、ゆきちゃんが流しの横に飛び乗りふにゃあんと鳴いた。

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