ストの日のがら空きクラス

昨日予想したとおり、今日の学校は閑散としていた。3時間目までの教師ストライキのおかげで、学校を休んだ子が多かったからである。4時間目のわたしの9 年生の授業に現れたのは、いつもはおしゃべりの多いクレアひとりだ。おしゃべりの多い子とはいえ、たったひとりでは話しようもない。まるで借りてきた猫の ようにおとなしく、宿題となっていた課題の残りに集中していた。
5時間目の9年生の授業には、4人。4時間目の9年生と同じく課題があったが、こ の4人はもうすでに提出している。4人では授業を進めるわけにもいかない。ほかの科目の課題があるというので、コンピュータに向かわせた。その中のひと り、マーカスは利発な子である。初めて8年生の教室で彼にあったとき、たぶん日本語能力も高いのだろう、と思った。英国人の母親とアイルランド人の父親と 一緒に、去年イギリスからオーストラリアに移住したため、発音もアクセントも完全にイギリス風である。ところが授業が始まってみると、できない。それどこ ろか「センセイの言っていることも、黒板に書いていることもわからない」の一点張りである。それどころか理屈っぽくおしゃべりをする。彼のせいで授業を中 断せざるをえないこともある。一喝することも多い。27人いるクラスでは、彼にばかりかまっているわけにはいかないが、今日はいい機会である。ほかの子供 がコンピュータに向かっている間に、話をすることにした。
「全然わからない、っていつから日本語を習っているの?」「5年生のときからだから、3年」「その間、わからないからつまらない、つまらなくて何もしないからわからない、を繰り返していたの?」「だって、センセイも説明してくれなかったから」
よ くある答えだ。回りのひとが悪い。でも自分は悪くない。英語が得意だというので、日本語という外国語を学ぶのは自分の母国語を外から見直すいい機会なの よ、と諭した。黒板に書かれたことをコピーするのも無駄なことではない。子供は母親の言葉をコピーして言葉を習う。わからないなら、とりあえずコピーする ことから始めましょうよ、と言ったら「じゃあなんかやることをください」と答える。ひらがなの練習問題をあげたら、おどろいたことに20分間それにかか りっきりだ。だから「できました」と誇らしげにマーカスが言ったときには、心から褒めてあげた。

先のクラスのクレアもこのマーカスも、30人近いクラスにいると、どうしてもうるさいくて扱いにくい子供たちである。しかし、ひとりひとりと話すとこれが結構素直でいい子たちなのだ。問題は、いつどうやってそうした時間を作るかということである。
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採 点に時間を取られて、夕食にかまっている暇がない。近くのインドネシアレストランに寄って、ガドガドとバミゴレン(インドネシア風焼きそば)を包んでもら う。ガドガドはレタスやらの生野菜の上にゆで卵、揚げ豆腐、ジャガイモなどを乗せ、甘辛いピーナッツソースをかけたインドネシア風サラダである。このレス トランのものはどれも驚くほど安く、そして美味しい。

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