ピンチヒッターで学校に戻る

今年はのんびりケンキュー生活かな、と思っていたら、いきなり忙しくなってしまった。

去年まで一緒に働いていた元同僚のお母様が病に倒れたため、しばらく学校を休むというのだ。「あなただったら、事情も授業も子供たちも知っているから」と請われ、結局ピンチヒッターということで、一度サヨナラをした学校に一学期だけ戻ることになった。
「あれー、なんでセンセイがまたいるのー?」と廊下で会う子供たちに声をかけられ、飛びつかれ、まるで幼稚園の子供たちのようにキャアキャアと喜ぶ顔を見ると、さすがにうれしい。

しかし、わたしが同僚のピンチヒッターで来たことを知ると、子供たちはため息をつく。わたしが一学期しか戻ってこないということと、わたしを結果的には「追い出した」新任の常勤日本語教師があまり好かれていないこと。ひとりふたりならまだしも、わたしの顔を見て駆け寄って来る子供たちの中、彼女のクラスにいる子たちが一人残らず不満をもらすというのは、尋常ではない。

彼女の授業がヘタクソだということは、たまたまオフィスで雑用をしていたときにわかった。すぐ隣の教室から彼女の授業の様子がもれ聞こえてきたからだ。同僚も不満をもらしていたが、これはひどい。荒れた学校から来たため、あまり授業らしい授業をして来なかったのかまとまりがない。これでは生徒がついて来ないだろう。

大したワークシートもないようなので、わたしの使っていたものを次から次へと手渡して、どう使うかまで教えてあげた。非常に喜んでいたが、今学期末のテストはわたしが全て作らなければならないような気がする。
実は一枚だけ彼女の作ったワークシートをもらったのだが、残念ながら使いものにならない。

このひとのために出て行かなければならなかったのかと思うと、また去年のように悲しくなった。情けないね。

 

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