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「流行りもの」のこと

一年に一回日本に帰るたびに、流行っているものを知る。そりゃあネットでそういう言葉に出会うことも多いが、活字になったものとテレビや実際の会話で使われているものとでは雲泥の違いがある。活字では伝わらない事情やニュアンスなど、だ。

今回気になったのは、堂々と様々な場所で言われる「勝ち組」「負け組」という言葉。
所有物とステータスで象徴される「勝ち組」という社会に参加できるひとたちと、それを持たないことによって前者より「劣る」社会に属するひとたち。どちらの社会もお笑い系タレントたちにテレビで巧妙に笑い飛ばされているが、その根底には不特定多数の弱者を攻撃する心が見え隠れして、わたしには笑って済ませることができない。

そしてその社会を無視するひとたちは、ジブンの世界に没頭しなければならない「らしい」というのも、今回びっくりしたことのひとつだ。

散歩だの、読書だの、「個人生活を豊かにすると考えられている」行動だの、またもや増えた新刊の雑誌は、こうしたマニアックな世界を懇切丁寧に指導している。個人的な経験を得るために、どういうところから始めてどういう風な経過をたどい、どんなものが必要かということを指示されるというのもおかしなものだ。散歩したいと思えば、どんな道を通って何を見てどう感じればよいのかというマニュアルがある。読書したいと思えば、ジャンルによってどんなものを読めばよいのかというマニュアルがある。著名現代作家の作品を全部読まなくとも、あらすじだけのダイジェスト本まである。イタリア料理を食べたいと思えば、どんな予算でどんなものを食べてどんな風に味を表現すればよいのかというコメントまで載っている。すごいなあ。
これに沿って行けば、「個人的に豊かに生きる」ステータスの社会に属することができるのか。

シンプルライフや、健康な生活や、趣味の世界、ってのも何だかこう考えてみると、やはり薄っぺらな「流行りもの」のひとつのような気がしてならない。

 

2件のコメント

  1. SECRET: 0
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    がびさん、あけましておめでとうございます。
    私も年末年始に一時帰国してきましたが…つくづく日本って浮き沈みが激しい国だなぁと感じました。去年紅白に出ていた芸能人がもう今年は「過去の人」だし。
    それから「人に対する思いやりのなさ」。大晦日の年越し番組でお笑い芸人を騙してドッキリ…というのをゆく年くる年の代わりに見てたんですが、内容の残酷なこと。あれが面白いと信じているテレビ製作会社も視聴者も絶対神経がおかしい。人を傷つけるギャグで笑いをとる、その感覚に背筋が寒くなりました。
    「勝ち組」「負け組」も私には耳の痛い言葉。どうして人の生き方にレッテルを貼りたがるんでしょうね、日本人って。
    それから、TVでは英語番組はいろいろとあっても、世界のニュースなんてほとんど流れてこないんですよね。オーストラリアでは日本の捕鯨船とグリーンピースの衝突が毎日のように報じられていたのに。
    小さい殻に心地よく収まって「豊かに生きられる」日本は、実は確実に斜陽の老小国になりつつあるのかなぁ…と少しガッカリしました。

  2. SECRET: 0
    PASS:
    日本の捕鯨船とグリーンピースの衝突には、わたしも同じように感じました

    捕鯨に関しては、日本人って関心が薄いですよね。これには、日本に帰るたびに少々驚きます。世界でかなりな頻度で語られる捕鯨問題がニュースにならない、ってのは理解できません。
    アメリカの動きには敏感なのに、ね。

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