たまには、生牡蠣できゅうううっと

何を隠そう、わたしは生牡蠣が大好きである。従って、冬真っ盛りのパースで夕食に手をかけたくないときに登場するのが、この1ダース12個の殻つき生牡蠣 と、ドライワインという組み合わせである。すでに何ヶ月にもなるのに、今だにごつごつしたレモンは無料と言う、ヘンな魚屋で、いつものように12個のふっ くりとした生牡蠣を買う。
「ねえあなたさぁ、もしかしてそこに2ブロック先のビルで太極拳を教えているセンセイでしょ?」生牡蠣を詰めてくれたオネエサンがわたしに聞く。
「へ?  いえ、わたしの教えているのは日本語だけですが」と言うと、疑わしそうに生牡蠣をじっと見つめてそれから恐る恐る渡してくれる。「日本語と太極拳?」 「だから、太極拳じゃなくて日本語を公立高校で教えているんです。」「で、なんでこんなところで太極拳を教えているの?」「だからあ、太極拳じゃなく てっ、、、」こういう時には、あんまり英語のうまくないオネエサンになんて言ったらわかってもらえるのか、困ってしまうのだ。
たぶんわたしが太極拳を教えていないことをまだ疑っているだろう彼女に、とりあえず料金だけ払って、スタコラ出口に向かう。わたしの顔ってそんなにどこにでもある顔なのかなあ。

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