庭のミカン

雨期に入った日本はこれからますます暑くなる…というのは1万5千キロ離れた北半球の母国の話で、わたしの住む南半球の国オーストラリアはすでに冬を迎えて寒い日が続いている。

いや、寒いと言っても雪の降らない西オーストラリアの冬はせいぜい5度が最低気温。日本と違って「雨期は冬」の土地ゆえ、ここ最近は毎日風をともなった雨が降る。ただしその合間に真っ青な空と太陽が出ると、気温はすぐに20度を越える。太陽が輝き始めたら、皆上着を脱ぐのもパースならではの日常だ。

さてそんなある日、前庭に植えた「日本のミカン」が2つちょうど食べごろになった。と言うとなんだか毎年豊作のようにみえるが、実は食べられるのは今年が初めてだ。5年ほど前に小さな苗木を植えたのだが、日当たりがよいにもかかわらず、なぜかあまり伸びてくれない。いまはやっと塀にとどくぐらいまでになったので2メートル弱か。白い花は毎年いくつか咲くが、今まで食べられる実がなったことはない。小さいまま固くなってしまったり、鳥に食べられてしまったり、風で落ちてしまったり。

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そんな貴重な2つなので、大きくなるまで心配で食べるどころの話ではない。今まで待ったのは、もう少し大きくなるかなと思っていたからだ。その2つのうちの1つに凹みが出たので、これ以上待ったら熟しすぎて食べられなくなる。そっともいでみた。いい香りだ。こんな強いミカンの香りを嗅いだのは久しぶりだ。
普通に剥いてみたら、種は大きい。口にふくむと、その強い香りとともに甘い汁が口中に広がる。懐かしくて、知らず微笑んでいる自分に気づいた。

 

アイリッシュ・ストロベリーのその後

ちょうど10年前にアイリッシュストロベリーという苗木を買った。このブログにもまだ載っているが、45度に奇妙に傾いた苗木でとても売り物にならないと思ったのか、投げ売り値段だった。

庭の隅にどうにか形を整えて植えたらどんどん大きくなり、10年たつともう5メートルほどの立派な木である。1年に2回ほど庭師が入って、隣のオリーブの木と一緒に整えてくれるが、もう塀(2m)をはるかに越えてしまった。秋には小さな鈴蘭型の小さな花が満開になり、花が終わると今度は真っ赤な実が木を覆い尽くす。

DSC00909 copyちょうど今は咲き始めの時期で、花自体はまだ真っ白だがこれから少しずつ色づいて薄いピンク色が混じる。

1メートルにも満たなかったヒョロヒョロの細い苗木がこんなに大きくなる。10年はあっという間だったが、それでもこのアイリッシュストロベリーがその年月の重みと長さを時々思い出させてくれる。

 

春一番の薔薇が咲いた

専門の庭師を頼んで着々と進んでいる「モノグサでも持てる簡単極まりない猫の額(=庭)」のリメイク。まだ水回りが残っているので裏庭がぐちゃぐちゃなのだが、表の小さな庭はだいたいメドがついたのでほっとしているところ。

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そして根付いた薔薇につぼみがつき、とうとう春一番の薔薇が開いた。Abraham Darbyという英国産David Austinの傑作だ。ご覧のように普通の薔薇と違ってカップのような形、そして馥郁たる香りと何十枚もの花弁を持つ。ただし店で売っているものと違い、切り花にするとあまり持たない。
でも、あまりにも大きく開いて俯いてしまっていたので、やっぱり切って部屋にかざってみたくなった。中に行くにしたがって薄いオレンジ色が見え隠れするが、開くとピンクだ。

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この品種はつぼみのころはこんなふうに2色の濃いピンクと黄色で、後からほとんど淡いピンクになるとは思えないところがおもしろい。

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前庭は極小なので、薔薇はAbraham Darbyが2本とDarcey Busselが1本の合計3本のみ。
もうひとつのDarcey Busselも今朝やっと開いたが, こちらはAbraham Darbyよりひとまわり小さい。次のシーズンにはもう少し大きくなるだろうか。

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  つぼみが沢山ついているのに、実は今晩もうバンコクへ。つまり大方の薔薇が満開なのときには見るのがかなわない。ああ、残念。